...彼女は彼の意見に対して掣肘を加えた...
...上司の指示を受けながらも、彼は自分で考える余地を掣肘されていた...
...政府の取り組みに対しては、財政的な掣肘があるので一筋縄ではいかない...
...今回のプロジェクトにおいては、進行を掣肘する要因が多々あった...
...仕事がうまく進まない理由は、彼の管理能力にあると思われ、チーム全体が掣肘されている...
...しかも互に相掣肘しつゝありしを以て也...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...すなわち人類の精神的生活が向上して無益なる浪費を自然に掣肘(せいちゅう)し...
石原莞爾 「戦争史大観」
...そこにそこばくの掣肘(せいちゅう)や影響を受けることはやはり免かれることが出来なかつた...
谷崎潤一郎 「「細雪」回顧」
...しかしてかの英国はなにをもってこれを掣肘するか...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...掣肘され制限されることが「文化統制」の意味なのである...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...二つには政治的統制と見做されそうな議会政治掣肘主義に限って...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...何人も之れを掣肘するを得可からず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...若しくは之れを掣肘して内閣の統一を困難ならしめ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...未(いま)だ曾(かつ)て何人のために掣肘(せいちゅう)されるほどの負目(おいめ)を持っていない米友が...
中里介山 「大菩薩峠」
...何人にも掣肘(せいちゅう)せられざる...
中里介山 「大菩薩峠」
...個性を考へるといふことは丁とか戊とかに匹敵する悪業のやうに狎らされてゐたので「君の意見はそれはそれとして一廉であり……」とか「意志の自由に於いて……」とか「誰が誰を掣肘出来るものか……」などといふ言葉が悉く絶大なる美しい響きを持つて感ぜられた...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...女教師という地方では身動きの軽くない周囲からの旧いものの考えかたの掣肘も男の便宜として考えに入れている...
「鏡の中の月」
...少しも圧制だの窘迫(きんぱく)だの掣肘(せいちゅう)だのを受けてはいない...
森鴎外 「雁」
...これに掣肘(せいちゅう)を加うることなく...
森鴎外 「渋江抽斎」
...そうして鑑賞が製作を掣肘(せいちゅう)したのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...掣肘(せいちゅう)しておく必要がある...
吉川英治 「私本太平記」
...かくして資本の力は既に武力を掣肘し始めているのである...
和辻哲郎 「鎖国」
...視覚作用は絶えずその根元によって掣肘(せいちゅう)せられる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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