...掛江教官が「二元の世界すなわち平面に住む生物には線を一本書けばその行動を掣肘し得らるるわけだが...
石原莞爾 「戦争史大観」
...地理的空名に掣肘せられしむる者也...
竹越三叉 「世界の日本乎、亞細亞の日本乎」
...しかしてかの英国はなにをもってこれを掣肘するか...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...すでにしからば英国が露国を掣肘するゆえんのものもまたここに存するや知るべし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...他方において反美濃部運動の妄動に掣肘を加えようと欲する...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...勘次(かんじ)は村(むら)の若者(わかもの)がおつぎに想(おもひ)を懸(か)けることに掣肘(せいちう)を加(くは)へる些(さ)の力(ちから)をも有(いう)して居(を)らぬ...
長塚節 「土」
...今日は外(ほか)に掣肘(ひかれ)る所もなく...
二葉亭四迷 「浮雲」
...人間の記憶は全く意志の掣肘(せいちゅう)を受けずに古い閲歴を堅固に保存して置くものである...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...個性を考へるといふことは丁とか戊とかに匹敵する悪業のやうに狎らされてゐたので「君の意見はそれはそれとして一廉であり……」とか「意志の自由に於いて……」とか「誰が誰を掣肘出来るものか……」などといふ言葉が悉く絶大なる美しい響きを持つて感ぜられた...
牧野信一 「文学的自叙伝」
......
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...女教師という地方では身動きの軽くない周囲からの旧いものの考えかたの掣肘も男の便宜として考えに入れている...
「鏡の中の月」
...誰にも掣肘(せいちゅう)せられることの無い身の上だと感ずるのが...
森鴎外 「雁」
...一国の一時代の風尚に肘(ひじ)を掣(せい)せられていては...
森鴎外 「沈黙の塔」
...何ものにも掣肘を受けぬ...
柳宗悦 「京都の朝市」
...そうして鑑賞が製作を掣肘(せいちゅう)したのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...在来の領家(りょうけ)はその掣肘(せいちゅう)を受けたのみならず...
柳田國男 「地名の研究」
...掣肘(せいちゅう)しておく必要がある...
吉川英治 「私本太平記」
...それが何人の掣肘もなく...
蘭郁二郎 「足の裏」
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