...掏摸(すり)に氣を附けねばならぬとか...
石川啄木 「天鵞絨」
...掏摸の事など言い出したら...
泉鏡花 「婦系図」
...諾来(よしき)た、と頼まれて、紙入を隠してやったのが暴露(ばれ)たんで、掏摸の同類だ、とか何とか云って、旦那方の交際(つきええ)が面倒臭くなったから、引払(ひッぱら)って駈落だとね...
泉鏡花 「婦系図」
...この俺の持物を掏った奴だ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...掏摸(すり)とも見えなければ...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...掏摸(すり)の名人なんかになるものだ...
太宰治 「小さいアルバム」
...ここは詐欺と掏摸(すり)とこそ泥が組織的に横行する権利のある競馬場だからだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...その上にはピカピカ光る形ちが指で魚の燐光の中に掏(すく)い上げたように描かれてあった...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...前後からのぞき込んで「何うした?」「掏った」低い声で...
直木三十五 「南国太平記」
...「掏摸が、右手を折られりゃ、河童の皿を破(わ)られたんと、おんなじことさ」小藤次は、自分の言葉から、一人の名人を台なしにしたことに、責任を感じた...
直木三十五 「南国太平記」
...実は掏摸でござんしてね」「掏摸?」「巾着切り...
直木三十五 「南国太平記」
...彼は掏摸(すり)と結託して悪事を働らいた刑事巡査の話を新聞で読んだ...
夏目漱石 「それから」
...「やられた」「今の掏摸に?」「うん...
火野葦平 「花と龍」
...五六間行き過ぎて三次懐中から半紙(印籠の絵)を取り出して今掏った印籠と比較する...
山中貞雄 「恋と十手と巾着切」
...掏摸(すり)やインチキ師が「感付かれたな」と感付いたり...
夢野久作 「暗黒公使」
...怖ろしい掏摸(すり)の足もきッと洗える」するとその時...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...もう金輪際(こんりんざい)掏摸(すり)は働かぬと誓っていたのでございますが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ふところの金を掏(す)られて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??