...古説に三女ありて人生運命の泰否を掌(つかさど)る...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...掌暗号長にではない...
梅崎春生 「桜島」
...氏は大きな掌で自分の膝小僧を掴み...
海野十三 「宇宙尖兵」
...自分の掌で、明確に知覚したものだけを書いて置きたかったのです...
太宰治 「風の便り」
...書き損じの原稿を破ることに使った」メフィストフェレスは雪のように降りしきる薔薇(ばら)の花弁に胸を頬を掌を焼きこがされて往生したと書かれてある...
太宰治 「葉」
...お幸ちやんの眼はその客の掌に入れた蛾に行つた...
田中貢太郎 「蛾」
...その時の石村の凝視の眼光と頑丈な硬い掌とに...
豊島与志雄 「擬体」
...」父親の掌に小さな手を任せたまま...
豊島与志雄 「父と子供たち」
...下についた片手の掌(ひら)に力を入れ...
永井荷風 「来訪者」
...漱石の俳句の中に寅彦桂浜の石数十顆を送る涼しさや石握り見る掌という句がある...
中谷宇吉郎 「桂浜」
...女は例の長いコートの裾(すそ)を踏まえないばかりに引き摺(ず)って車掌台の上に足を移した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...多いときは五十両にもなるんだからこたえられねエ」「馬鹿野郎ッ」ガラッ八の掌(て)は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...掌璽大臣モールヴィーエー(Morvilliers)を召して...
穂積陳重 「法窓夜話」
...そのふっさりと垂れた一と塊りを掌のうえに載せたりしてみていた...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...食べる?」と掌へ乗せた黒い粒を私にすすめる丈である...
松永延造 「職工と微笑」
...わたしはおまへの掌(てのひら)が獅子(しし)の児(こ)のやうに打つた鋭い一撃の痛さの下(もと)でかう云(い)ふ白金(はくきん)の予感を覚えて嬉(うれ)しかつた...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...孑孑(ぼうふら)を掌(て)に掬(すく)って...
吉川英治 「新書太閤記」
...筧(かけひ)の水を掌(て)に溶いて...
吉川英治 「新書太閤記」
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