...新らしく乗りこんだ一人の車掌が...
田中貢太郎 「隧道内の怪火」
...黙つて掌(てのひら)へ載せてやると...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...柔く温い胸毛の下の円い肉体を掌に感ずると...
豊島与志雄 「楠の話」
...掌大の白い翼の蛾が...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...煙草を車掌の鼻先へ差出した...
豊島与志雄 「電車停留場」
...と車掌の神父さまが申しなさるのをやかましい...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...惣太の出した大きな掌(てのひら)に載せてやりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし先生の俗務の鞅掌は決してその詩に禍をしなかつたのみならず却つてそれが先生の詩を内容的に深めてゐる...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...落ちて来るところを掌(たなぞこ)で受けると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こんな事を淡白(あっさり)相談に来ちゃくれまい」平次は両掌(て)を揉み合せて喜んでおります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...丑松少年の掌(て)の上にチユウチユウタコカイと突いて見せます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...掌(て)の指の間にメラメラと燃え...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...両掌(て)を宙に泳がせる八五郎です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...」と云って掌を差出した...
原民喜 「真夏日の散歩」
...この夏の事務の鞅掌(いそがし)さ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...彼は直ぐまた蛾を掌で打ち降ろすと...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...掌(たなごころ)を反(かえ)すよりも易いかと存じます」一座は...
吉川英治 「三国志」
...「南無……」ばばは、岩の壁へ向って、掌(て)を合せ、嗚咽(おえつ)しないばかり、落涙していた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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