...内証(ないしょう)でする事は客の靴へ灸を据えるのさえ秘(かく)しおおされないで...
泉鏡花 「婦系図」
...「じかではなくっても――御別懇の鴾先生の、お京さんの姉分だから、ご存じだろうと思いますが……今、芝、明舟町(あけふねちょう)で、娘さんと二人で、お弟子を取っています、お師匠さん、……お民さんのね、……まあ、先生方がお聞きなすっては馬鹿々々しいかも知れませんが、……目を据える、生命(いのち)がけの事がありましてね、その事で、ちょっと、切ッつ、はッつもやりかねないといった勢(いきおい)で、だらしがないけども、私がさ、この稽古棒(よっかけて壁にあり)を槍(やり)、鉄棒(かなぼう)で、対手(あいて)方へ出向いたんでござんすがね、――入費(いりよう)はお師匠さん持だから、乗込みは、ついその銀座の西裏まで、円タクさ...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...ここが淋しいからと、そこに据える...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...しかし彼は腰を据えることができなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それを敏子の顔に据えると...
豊島与志雄 「旅だち」
...女中どもはみどりを芳村の隣席へ押据える...
中里介山 「大菩薩峠」
...二人を見据える眼の力さえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...片っ端から打ち据える...
中里介山 「大菩薩峠」
...胆を据えるべき米友も...
中里介山 「大菩薩峠」
...私はそう腹を据えると...
堀辰雄 「晩夏」
...唯薪が山のように積んである上へ棺を据えると穏坊は四方から其薪へ火をつける...
正岡子規 「死後」
...艶麗(えんれい)な女形の顔を真すぐに見据えるのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...鳥渡(ちょっと)据えるところに難しいしろものである...
室生犀星 「庭をつくる人」
...わたくしは所謂難波寺形という大樹の下に据える手洗いに...
室生犀星 「庭をつくる人」
...山麓の方に向きを据えると...
室生犀星 「野に臥す者」
...あの見るに堪えぬ今出来の銅器を据える...
柳宗悦 「工藝の道」
...しかしそのように席の上座へ据えるなどということは...
山本周五郎 「菊屋敷」
...彼は真紀子の手首を持って引き据えるように椅子へ腰を降ろさせると...
横光利一 「旅愁」
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