...ぢつとその不謹慎なおしやべりをしてゐる男の顔を見据えて居た...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...彼れは一足々々にこたへる痛さを堪える為めに全精力を集中させたように物凄い上づつた眼を据えてソロ/\と歩き出しました...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...三脚を据えるところがない...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...巨大の鼎据ゑ付けて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...」洋食屋の広間に据えてもよいほどのその大きな重い鉢植を...
豊島与志雄 「香奠」
...外部には市民を据えていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...五台の化粧鏡が据えられてあった...
永井荷風 「夏の町」
...そこで今までの問題はそこに据(す)えっきりにして置いて...
夏目漱石 「門」
...それを教えてくれ」私の指は部屋の一方に据えた革皮(かわ)の椅子を指しました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...二頭の高麗犬(こまいぬ)のように平次の前に据(す)えました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...頑(ぐわん)として關所を据ゑるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう逃げられないと肝を据えた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...シャボンの泡をなすりつけながらお金とりに来た鳥やの爺さんを長火鉢の前に据えて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...今日という世界をはっきり目の前に据えておいて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...わきに立つた佐々兼武もビックリしたように眼を据えてルリの顏ばかり見守つていた...
三好十郎 「肌の匂い」
...バラバラと飛んで来て新九郎を彼の前に引き据えた...
吉川英治 「剣難女難」
...上杉憲房を副将の資格で上に据えてあるのだった...
吉川英治 「私本太平記」
...鞍は据えても乗った例(ため)しはない...
吉川英治 「新書太閤記」
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