...店の中央に石臼(いしうす)を据(す)えて五倍子粉を磨(す)っている陰陽の生人形が置いてあって人目を惹(ひ)いたもの...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...客をもてなす諸の美味をわが前据えたりき...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...眼が大きく見据えられ...
豊島与志雄 「土地に還る」
...室の中央には大きい黒檀の机が据えられてその上に二三の雑誌がちらかっている...
豊島与志雄 「囚われ」
...米友としてもいよいよ米友度胸が据(すわ)ったのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...きぬ川のほとりを行くうぐひすのあかとき告げて來鳴きけむ川門の柳いまぞ散りしく二十八日秋の田に少女子据ゑて刈るなべに櫨とぬるでと色付きにけり二十九日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...物の怪の祟(たた)りを据えての恐(おそれ)と苦しみである...
夏目漱石 「薤露行」
...御遠慮には及びませんからという度胸を据(す)えて...
夏目漱石 「明暗」
...据え置きだったはずである...
野村胡堂 「胡堂百話」
...札差百九人衆の筆頭に据えられる大町人...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ガラツ八は襟髮を取つてピタリと引据(ひきす)ゑました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...早桶に押込んで船の中に据(す)ゑ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「据え膳食わぬは...
火野葦平 「花と龍」
...太い線をもつて滑稽(バロク)の段階に鮮明でありたいものだ! と夜空へ向つて眼を据えた...
牧野信一 「病状」
...留守には母親の据わっている所や...
森鴎外 「雁」
...安寿は守本尊を取り出して、夢で据えたと同じように、枕もとに据えた...
森鴎外 「山椒大夫」
...蹈鞴を据え釜を鋳た...
柳田國男 「地名の研究」
...「そんな据物斬(すえものぎ)りがあるものか!」駈(か)けだして行って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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