...いっさいを投げ出して再び満鮮地方へでも出かけようかと捨鉢な気持さえ起りかねない矢先だった...
犬田卯 「瘤」
...無神経な捨鉢らしい風に杯の酒をぐうっと飲み乾(ほ)し...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...どうなるかなるようになってみろ! と捨鉢などん底に自然と腹が据っていた...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...捨鉢にしんみりとなって...
豊島与志雄 「聖女人像」
...快活などこか捨鉢なほど陽気な態度だったが...
豊島与志雄 「操守」
...」なんだか捨鉢な調子だった...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...なさけない半ば捨鉢な気持が動いていました...
豊島与志雄 「肉体」
...万事終ったという捨鉢な気持だけが残った...
豊島与志雄 「反抗」
...新聞の広告をたよりに名誉を捨鉢(すてばち)の身の上は...
永井荷風 「監獄署の裏」
...御亭主殿が急に患(わずら)いついてポクリと死んでしまいました」「はあ――て」「それからお内儀さんというものが捨鉢(すてばち)の大乱痴気(だいらんちき)で身上(しんしょう)は忽ちに滅茶滅茶...
中里介山 「大菩薩峠」
...捨鉢な心持ちが言わせる拵(こしら)え事だろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――笛でも稽古(けいこ)しなきや」少し捨鉢(すてばち)な調子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...勘当息子らしい捨鉢(すてばち)なところが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何かこう虚無的になった捨鉢な諦めを感じさせる男です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...捨鉢(すてばち)につぶやいたお初...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...いたづらと捨鉢をまぜてきゝかへした...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...その爲に世を捨鉢の氣まぐれともなる心持は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...捨鉢(すてばち)ぎみになって...
吉川英治 「三国志」
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