...その内容空疎に多少おどおどしながらやっぱり田舎紳士(いなかしんし)の気取りを捨て切れないでいるのである...
太宰治 「惜別」
...俗世のみれんを捨て切れないのである...
太宰治 「善蔵を思う」
...捨て切れないのである...
太宰治 「善蔵を思う」
...私は捨て切れないで居るのである...
太宰治 「善蔵を思う」
...だが何となく見捨て切れないもののある...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...すべての記載をできるだけ数学的抽象的なものにしようという清教徒的科学者の捨てようとしてやはり捨て切れない煩悩(ぼんのう)の悲哀がこういうところにも認められるであろう...
寺田寅彦 「柿の種」
...また一方では捨てようとして捨て切れない現世への未練の糸の端をこれらの遺物につなぎ留めるような心持ちもあるかもしれない...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...やはり捨て切れないのだ...
北條民雄 「癩院記録」
...何か捨て切れない過去の残滓が遺っているのではないだろうか...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...今迄うぬらが当てがわれていたケチックサイ屋台骨に恋々としてしがみ附いていようと言う量見を捨て切れないために...
三好十郎 「好日」
...捨てても捨てても捨て切れないものが残ったまま一生を終るのが落ちだろう……」と笑ったことがある...
夢野久作 「実さんの精神分析」
...なかなかあっさりは捨て切れない彼から考えると...
吉川英治 「新書太閤記」
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