...北京(ペキン)灰捨つる路は槐(ゑんじゆ)の莢(さや)ばかり(大正十五年十月)...
芥川龍之介 「槐」
...教会と神学者は余を捨つるも余のいまだ聖書を捨つる能わざるは余はいまだ爾に捨てられざるの一徴候なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...皆もつて怪(くわい)とし石を竹林に捨つ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...取るべきは取り捨つべきは捨て...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...はた彼岸の再会を期する望みを捨つる能はず...
辰野隆 「旧友の死」
...捨つべきものは捨てた...
種田山頭火 「其中日記」
...朝の蘇生十字架を磨き疲れた果てに死す恋殻を詩園の窓の下に捨つ人奔る金魚口あけ尾をふらんひねもすやわれをひたすら陽の凝視◆八月二十二日夕刊「北国柳壇」(高松)喜多 一二試みに数ふる中をながれ星波...
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...捨つ可くして捨つ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...空鑵をいづこに捨つべきや...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...あたら一命を捨つるのは馬鹿なことだ...
新渡戸稲造 「教育の目的」
...その悪しき玉を切り捨つる法はあれども...
久生十蘭 「玉取物語」
...人捨つる我と思はずこの人に今重き罪申し行なふ人捨つるは人を捨てるの意であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...然らざるものはこれを捨つるに異ならず...
福沢諭吉 「物理学の要用」
...第二 上京一 故郷を捨つ政府が人権を蹂躙(じゅうりん)し...
福田英子 「妾の半生涯」
...われらは自然の美をのみ取りて人事の美を捨つる者に非ざるなり...
正岡子規 「人々に答ふ」
...然れども多少專門的に事物を研究する人は陳腐を取りて新奇を捨つるの愚を學ぶべきにあらず...
正岡子規 「萬葉集を讀む」
...『本草』にも〈それ物を搏ち三躍して中(あた)らざればすなわちこれを捨つ〉と出づ...
南方熊楠 「十二支考」
...」さう言ひ捨つると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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