...なじかは三年(みとせ)の勤行(ごんぎやう)を一夜に捨つべいと思ひつらう...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...小室を捨つる苦痛の感情容易に消えなく...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...之を撰び彼を捨つるの力を有せざれば...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...皆もつて怪(くわい)とし石を竹林に捨つ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...斬って捨つべきか否かを吟味して後...
中里介山 「大菩薩峠」
...斬って捨つべかりし人を斬り損ないました...
中里介山 「大菩薩峠」
...殻竿(からさを)にとゞと打つべき麥の穗を此の畑人は火に燒きてとる長濱の搗布(かちめ)燒く女は五月雨の雨間の岡に麥の穗を燒く穗をやきてさながら捨つる麥束に茨が花も青草も燒けぬ七月五日岩城の平の町赤井嶽に登る山上の寺へとまる...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...あたら一命を捨つるのは馬鹿なことだ...
新渡戸稲造 「教育の目的」
...捨つたと言つてゐたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今汝を捨つるとも汝かまへて我を恨むべからず...
正岡子規 「土達磨を毀つ辞」
...日本固有の文字を捨つるは国家的団結心に負(そむ)く事...
正岡子規 「病牀譫語」
...火吹竹(ひふきだけ)など捨つるもあり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ほとほと定めかねて打ち捨つるを常とす...
正岡子規 「墨汁一滴」
...支那にも『本草』にその物を搏(う)つや三(み)たび躍(おど)って中(あた)らずんばすなわちこれを捨つと出(い)づ...
南方熊楠 「十二支考」
...歎きわび身をば捨つとも亡(な)きかげに浮き名流さんことをこそ思へと詠(よ)まれもした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼はやがて世を捨つるならん(キケロ)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...さて取り捨つべきところもなければ...
柳田国男 「遠野物語」
...親を捨つると恋すると繁き思(おもひ)をする我をあはれと歎き涙しぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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