...そして、ハッと振向くと、淡い蝋燭の光に照らされて、そこに、一間とは隔たぬ目の前に、いつの間に忍び込んだのか、二人の男が立ちはだかっているのを発見して、ギョッと息を呑んだ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...」ぎくりとして振向くと...
豊島与志雄 「林檎」
...小太郎は、小半町余り、行っていたが、走り寄る足音に、振向くと、一人の男が、鋸を構えて「待てっ、おいっ」その後方からも、得物をもった若い者が、走って来ていた...
直木三十五 「南国太平記」
...益満が「小太」小太郎が、振向くと、益満は、微笑して「又とない機が来た」小太郎は、父母のことで、いっぱいだった...
直木三十五 「南国太平記」
...(お国許で、こんな騒ぎが、起っている以上、大阪にも、何か、起っているにちがいない――綱手は、何うしているかしら)七瀬は、往来の人々が、怪しんで、振向くくらいに、急ぎ足で、歩きながら(調所様は、よい方であったが、今度の蔵屋敷の方は、何んな人かしら――)敵党の人だとは知っていたが、調所には、好意がもてた...
直木三十五 「南国太平記」
...振向くものの面(かお)は冷たいと思って...
中里介山 「大菩薩峠」
...咲ちゃ? (と肩越しに振向くお妙の顔を...
三好十郎 「斬られの仙太」
...「真壁どの御免」そして振向くところを首の根へ一刀...
山本周五郎 「失蝶記」
...そしてしばらくやり過してから、鶴菜が振向くと、黒川大隅もこなたを振顧(ふりかえ)っていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...ぼくが振向くと、散つてゆく...
吉川英治 「折々の記」
...胤栄を振向くと云った...
吉川英治 「剣の四君子」
...ふと振向くと、土塀をうしろに、彼の所属している組の組頭以下、同僚たちのこらず見送りに立ち、あとはただ黙然と眸(ひとみ)に情をこめていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...……筑前(ちくぜん)どのでおわしたか」僧は振向くなり仰山すぎるくらいな表情を示した...
吉川英治 「新書太閤記」
...お待たせ致した」おや? と思って振向くと...
吉川英治 「新書太閤記」
...お通が振向くとすぐにまた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それへ振向くと共に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...……武蔵様はいませんか」「……あ?」小次郎が振向く...
吉川英治 「宮本武蔵」
...」私も氣がついて振向くと...
若山牧水 「姉妹」
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