...何気(なにげ)なく途中で後を振り返ると...
芥川龍之介 「路上」
...振り返る度に高城は彼の顔に眼で笑いかけた...
梅崎春生 「日の果て」
...鬱蒼(うっそう)として頭上に掩(おお)い被さって来そうな真っ闇(くら)な寺門を振り返るのも恐ろしくて...
橘外男 「逗子物語」
...何の興味をも持っていなかった私自身の心をそこに振り返るような気持がして...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...そして後ろを振り返る勇気もなかった...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...いい加減を見計らって、と振り返ると、二三歩を距てた橋板の上に、夜目にもほの白いものが一枚、小石の重りを載せて、ヒラヒラと川風に吹かれて居ります...
野村胡堂 「悪人の娘」
...振り返ると、日蔭に咲いた花のような、若い淋しい娘が一人、物言い度気(たげ)に十次郎の顔を差し覗いて居ります...
野村胡堂 「踊る美人像」
...「何をツ」振り返ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...門口(かどぐち)を入って、振り返ると、姿が見えなかったので、びっくりしたようなわけで――」祐吉のくどくどと説明するのを、平次はもう聞いてはいませんでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...振り返ると、石崎平馬も、その娘のお礼もいつの間にやら逃げ出して、縁側には爺やの友吉が付添って、お組は大したやつれもなく、初々(ういうい)しくもかしこまっているのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「死骸の首に巻いてあった紐はどうした」平次は振り返ると厳しく番頭の理八を責めました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もう一度振り返ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親分」振り返ると娘お百合の...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まだほんの子供で」振り返ると主人の鹿右衞門は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それは永久に振り返る事を許されぬ影のやうに...
水野仙子 「道」
...聞きなれぬ発音の歓声に振り返ると...
山川方夫 「昼の花火」
...立ち止ってクルッと振り返る...
山中貞雄 「武蔵旅日記」
...甲谷は橋の上で振り返ると...
横光利一 「上海」
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