...屏風(びょうぶ)を立てたような巌石(がんせき)が路(みち)を挟んで聳(そび)えている処へ出た...
田中貢太郎 「悪僧」
...三造の先輩と同じように木内の死因に疑いを挟んで...
田中貢太郎 「雨夜草紙」
...「今し方、五梃、侍が乗って行かなんだかのう」「行かっしゃりました」「何の辺まで参っておろう」「さあ、この宿を――外れたか、外れんかぐらいでござんしょう」筆を、耳へ挟んで、立場の取締りらしいのが答えた...
直木三十五 「南国太平記」
...顎(あご)の大きい牙の間には箔を置いた珠(たま)を挟んでありましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その話を小耳に挟んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見ようともしませんよ」「フーム」「そのまま八つに畳んで帯のあいだへ挟んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お夏を中に挟んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それをバタを塗ったパンに挟んで紅茶を添える...
林芙美子 「朝御飯」
...伊代は枕の下に貯金の通帳を挟んで...
林芙美子 「帯広まで」
...事務机を挟んで教諭と向きあう椅子に掛けた...
久生十蘭 「母子像」
...摺子木のやうになつた両手に茶椀を挟んでゐるのはまだしも...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...最初初茸を使う時箸(はし)で茎を挟んで外の箸で笠の上からトントンと叩いて砂を落さなければなりません...
村井弦斎 「食道楽」
...箸をもって左の肴を挟んで右へ...
柳田国男 「故郷七十年」
...囃子等度々相勤むる」と極めて謙遜した簡短な文辞が挟んで在るだけであるが……...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...そうしてT子母子(おやこ)を仲に挟んで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...千鶴子とアンリエットを中に挟んでボートは岸を放れた...
横光利一 「旅愁」
...駅を挟んで南北に二百万坪の満鉄附属地がある...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...――が、この附近にはすでに、その日の午前から、明智方の左翼と、羽柴方の右翼とが、一水を挟んで、じっと対峙していたのである...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??