...殆(ほとん)ど軸の挂(か)かつてゐなかつた事がない...
芥川龍之介 「東京小品」
...銅版畫を挂(か)けつらねたる技藝品鋪の前には...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...蔵逓両相が挂冠したといふ外に...
石川啄木 「雪中行」
...同志と共に袖を列ねて冠を挂(か)けたのである...
大隈重信 「東洋学人を懐う」
...粗末な火鉢の上に自分で買つて來た藥罐を挂けて之も自分で買つて來た茶器で仔細らしく茶を入れて居る處であつたが...
高濱虚子 「續俳諧師」
...今度こそと志した下宿營業も亦遂に同樣の運命と略相場の極まり挂けた今日如何にしてこの悶を遣るべきか...
高濱虚子 「續俳諧師」
...夜壁上の書幅を挂け替ふ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...太十の目には田の畔から垣根から庭からそうして柿の木にまで挂けらえた其稲の収穫を見るより瞽女の姿が幾ら嬉しいか知れないのである...
長塚節 「太十と其犬」
...そうかと思うと蜀黍の垣根の蔭に棍棒へ手を挂けて立って居る犬殺がまざまざと目に見える...
長塚節 「太十と其犬」
...ちらりと見た二人の遊女のことや思ひ挂けなかつたことを心に描きながら闇夜の間を運ばれた...
長塚節 「菜の花」
...萠黄の法被を着た老人が後から長柄の傘をさし挂けて居る...
長塚節 「菜の花」
...一日空の模様がよくなり挂けたので私はすぐに散歩に出た...
長塚節 「隣室の客」
...私は鬱陶しい宿の退屈に堪へないので思ひ切つて雨の中をそこからでは遠くもないといふ炭坑を見に出挂けた...
長塚節 「隣室の客」
...又た威勢のいゝ挂声がして松魚船がはひつて来た...
長塚節 「隣室の客」
...此時は大騒ぎでした」女中は私の座敷の前で柱へつかまりながら勾欄へ腰を挂けた...
長塚節 「隣室の客」
...到頭鯨へ綱を挂けて...
長塚節 「隣室の客」
...挂冠(けいかん)首相芦田均君に読んで貰うより...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...老境に達した自分が挂冠(けいかん)するのに惜しい気持ちなどは少しもない」と言っていたに違いない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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