...殆(ほとん)ど軸の挂(か)かつてゐなかつた事がない...
芥川龍之介 「漱石山房の秋」
...いづれも額になつて挂(か)かつてゐる...
芥川龍之介 「東京小品」
...銅版畫を挂(か)けつらねたる技藝品鋪の前には...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...額も油繪を挂(か)けてゐるね」とコローム版の古びた額を文太郎は感心して見た...
高濱虚子 「續俳諧師」
...其に急に心細くなつて矢鱈に煩悶した……」斯う言ひ挂けて文太郎は目を瞑つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...「お前には迷惑は挂けん...
高濱虚子 「續俳諧師」
...即時而真 当相即道生々如々春有百花秋有月夏有涼風冬有雪若無閑事挂心頭便是人間好時節七月一日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...赤は長い舌で鼻を甞めながら駈けて来て前足を太十の体へ挂けて攀じのぼるようにしていつものように甘えた...
長塚節 「太十と其犬」
...春がもう過ぎて畢ふと喚び挂けるやうに窮屈な皮の間から手を出して棕櫚の花が招いても只凝然として死んだやうである...
長塚節 「隣室の客」
...だからさういふ人間から親しい言葉を挂けられるといふことが彼等には満足なのである...
長塚節 「隣室の客」
...其姿は赤い半股引を穿いて尻をねぢあげて大形な飛白の羽織を引つ挂けたやうである...
長塚節 「隣室の客」
...私は鬱陶しい宿の退屈に堪へないので思ひ切つて雨の中をそこからでは遠くもないといふ炭坑を見に出挂けた...
長塚節 「隣室の客」
...その時の騒ぎはお目に挂けたいやうでしたな」障子の外へ膝をついて番頭は語つた...
長塚節 「隣室の客」
...それが高い帆柱の真上まで来てしばらく挂(かか)っているかと思うと...
夏目漱石 「夢十夜」
...眉月方挂...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかし此記には漏挂(ろうくわい)の憾があつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...松に鬚籠(ひげこ)を挂(か)く...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...孫子曰く地形通ずる者あり挂(か)かる者あり支(ささ)うる者あり隘(あい)なる者あり険なる者あり遠き者あり孫子の地形篇が机の上にひらかれていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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