...然れども現内閣は彼の藏遞兩相の挂冠と共に一層政黨内閣たる旗幟鮮明となり今や議會に一の政友會を率ゐたるのみにて嘗ては其庇護を受けし山縣桂等の徒黨と勇敢なる政戰を開始したり...
石川啄木 「雲間寸觀」
...蔵逓両相が挂冠したといふ外に...
石川啄木 「雪中行」
...小挂(こうちぎ)しゃんと着こなして...
泉鏡花 「活人形」
...自分も聲を挂けなかつた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...同志と共に袖を列ねて冠を挂(か)けたのである...
大隈重信 「東洋学人を懐う」
...二長瀑を挂(か)く...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...火を燃すにも薪の立て挂けやうから...
高濱虚子 「續俳諧師」
...其に急に心細くなつて矢鱈に煩悶した……」斯う言ひ挂けて文太郎は目を瞑つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...「己もお前を呼んで貰ひ度いと思つて度々三河屋迄電話を挂けて呉れるやうに看護婦に頼んだのだけれど看護婦がどうしても呼んで呉れない...
高濱虚子 「續俳諧師」
...太十の目には田の畔から垣根から庭からそうして柿の木にまで挂けらえた其稲の収穫を見るより瞽女の姿が幾ら嬉しいか知れないのである...
長塚節 「太十と其犬」
...東國に生長して宮角力などに能く造られた二間梯子を挂ける棧敷ばかりを棧敷と思つた目には一寸異樣に感ぜられた...
長塚節 「菜の花」
...だからさういふ人間から親しい言葉を挂けられるといふことが彼等には満足なのである...
長塚節 「隣室の客」
...其姿は赤い半股引を穿いて尻をねぢあげて大形な飛白の羽織を引つ挂けたやうである...
長塚節 「隣室の客」
...おいよさんは自分の家から持つて来た古い綿入羽織を引つ挂けて居た...
長塚節 「隣室の客」
...一日空の模様がよくなり挂けたので私はすぐに散歩に出た...
長塚節 「隣室の客」
...裸の漁師が挂声をしながら艪を押して居る...
長塚節 「隣室の客」
...到頭鯨へ綱を挂けて...
長塚節 「隣室の客」
...女も凝然と腰挂けた儘いつまでも俯伏して居た...
長塚節 「隣室の客」
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