...蕭雨(せうう)を犯し泥濘(でいねい)を踏んで...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...聴衆は泥濘を踏んでつめかけた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...こねかえした田の泥濘(どろ)の中にうつむいた饅頭笠(まんじゅうがさ)がいくつとなく並んで見える...
田山花袋 「田舎教師」
...あたりは車の齒の泥濘の中に深く喰ひ込んだのを牛飼どもが押したり動かしたりする光景だけになつて了つて...
田山花袋 「道綱の母」
...雪後の泥濘(ぬかるみ)を拾ひつゝ寺の山門の方へと出て来た時には...
田山録弥 「百合子」
...泥濘(ぬかるみ)のひどい道に古靴を引きずって役所から帰ると...
寺田寅彦 「やもり物語」
...砲兵隊が泥濘(でいねい)に足を取られたこと...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...下の往来の泥濘(ぬかるみ)路に...
直木三十五 「南国太平記」
...雨の降る日に泥濘(でいねい)の本所(ほんじょ)を散歩しよう...
永井荷風 「曇天」
...冬の日は全く暮果(くれは)て雪解の泥濘(ぬかるみ)は寒風に吹かれてもう凍っている...
永井荷風 「雪解」
...女中はその辺で転んで倒れて泥濘(ぬかるみ)の中へ...
中里介山 「大菩薩峠」
...路は歯の廻らないほど泥濘(ぬか)っているので...
夏目漱石 「三山居士」
...廃墟の泥濘の上の闇市(やみいち)は祭日のようであった...
原民喜 「火の唇」
...私をよもやお忘れはなさるまいと車より濘(すべ)るやうに下りてつく/″\と打まもれば...
樋口一葉 「十三夜」
...チチコフはいきなり泥濘の中へ四つん這いになってつんのめった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...泥濘(ぬか)ツた路をベチヤンクチヤン...
三島霜川 「解剖室」
...まるで泥濘(ぬかるみ)さはまって足を抜けねえような塩梅式だ」「思うに...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...浪士たちは背まで泥濘(ぬかるみ)の泥水を刎ねあげていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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