...ゴツゴツした持ち前だなどとなると...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...もともと派手を競うのは持ち前の負けじ魂に発しているのでその目的に添(そ)わぬ限りは妄(みだ)りに浪費することなくいわゆる死に金を使わなかった気紛(きまぐ)れにぱっぱっと播(ま)き散らすのでなく使途を考え効果を狙(ねら)ったのであるその点は理性的打算的であったさればある場合には負けじ魂がかえって貪慾(どんよく)に変形し門弟より徴(ちょう)する月謝やお膝付(ひざつき)のごとき...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...そして持ち前の美しいアルトの最も奥深い音をまろばしながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...持ち前の蛭子(えびす)顔を...
火野葦平 「花と龍」
...心持ち前へにじり寄った...
平林初之輔 「五階の窓」
...持ち前の素早い診断と...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...これらは大抵皆ツバキ持ち前の花の型を有してその花弁の底が相連合しているから...
牧野富太郎 「植物記」
...おれが持ち前の話は何の興をも與へぬとすると...
正宗白鳥 「假面」
...ドイツ人が持ち前の学者気質で「報告文学」という名称を与えた...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...私が持ち前のたっぷりや的生存を自信をもって或期間つづけ得ると云うことです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...元気ながら持ち前のおもいやりでいたわられながら歓談したらきっと人足仕事などを心がけないでも...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...たちまち持ち前の人材蒐集慾(しゅうしゅうよく)をむらむらと起したものであった...
吉川英治 「三国志」
...彼の持ち前な気まぐれの一つかも知れないけれど...
吉川英治 「治郎吉格子」
...良人のこの持ち前を...
吉川英治 「新書太閤記」
...およそ人間とはそうした煩(わずら)いばかりに罹(かか)って喘(あえ)ぎ悩むのが持ち前なのである...
吉川英治 「親鸞」
...この箆(へら)ですぱっと切ってある土の痕(あと)ですが……」「ふむ!」芸術家の持ち前を光悦も持っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この人間の持ち前で...
吉川英治 「宮本武蔵」
...持ち前の呶号を発したくなッた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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