...しかし父はその持ち前の熱心と粘り気とを武器にしてひた押しに押して行った...
有島武郎 「親子」
...蜘蛛は其の種々に従つてそれ/″\にその持ち前の方法や手順でつくる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...目立つ人間と目立たない人間とそれぞれの持ち前に従って本分を尽しているのだ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...どうせ自然の力には従わなければならないのはわかっていますが――そこに理想があって物にあこがれるところがあるのが人間として意味がある」持ち前の猫背をいよいよ猫背にして...
田山花袋 「田舎教師」
...一身に持ち前正味の働きを逞しゅうして...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...持ち前の知性で意味を素早くつかんで...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...持ち前の自立心がいくらか戻ってきた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...持ち前の魅力をふるいはじめたとしても...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...」とフリイデマン氏は持ち前のかんだかい...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...ドイツ人が持ち前の学者気質で「報告文学」という名称を与えた...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...私が持ち前のたっぷりや的生存を自信をもって或期間つづけ得ると云うことです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼はついに持ち前の癇癪(かんしゃく)を起し...
吉川英治 「新・水滸伝」
...さいぜんも篤(とく)と拝見していたが、あれほどな腕前がおありなら、官途に志願しても」「いや、そいつがですね、持ち前、いッち嫌いなんですよ」「どうしてです」「朝廷(おかみ)はでたらめ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...我慢に我慢をしぬいていた持ち前の暴勇を奮い出したからでもある...
吉川英治 「新・水滸伝」
...(それは捨ておけぬ)ふたたび持ち前の嫉視を向け...
吉川英治 「親鸞」
...臆病な持ち前はすぐ体に出してしまう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...おれっちの持ち前だ」「つまみ出しちまえ」「わざと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...持ち前の呶号を発したくなッた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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