...もとより勝ち気な女の持ち前として...
伊藤左千夫 「春の潮」
...彼の持ち前の図々しさと自惚れは...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...持ち前の鋭い頭脳を敏捷(びんしょう)に働かせて...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...そうしてこそ人各々の持ち前に応じた進歩があり...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...自分は持ち前のおべっか精神を発揮して...
太宰治 「人間失格」
...どうせ自然の力には従わなければならないのはわかっていますが――そこに理想があって物にあこがれるところがあるのが人間として意味がある」持ち前の猫背をいよいよ猫背にして...
田山花袋 「田舎教師」
...あっちゃから往きます」女の持ち前の愛想のない調子でそんなことをいう...
近松秋江 「黒髪」
...持ち前の自立心がいくらか戻ってきた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...」とフリイデマン氏は持ち前のかんだかい...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...今の令嬢は、独立イクォル経済的自立と、きっちり結びつけているんだから油断ならない」そして、彼は持ち前の、ちんばな、印象的な眼で、「ここにも現に一人いらっしゃるが……」と、朝子の顔を見て笑った...
「一本の花」
...ドイツ人が持ち前の学者気質で「報告文学」という名称を与えた...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...持ち前の性質から...
宮本百合子 「刻々」
...各(おのおの)とりどり様々にその持ち前の性格を鼻の表現に光らせております...
夢野久作 「鼻の表現」
...持ち前のかんしゃくが起きてしまった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...恋愛にも持ち前の短気をあらわして武人らしく云い放った...
吉川英治 「三国志」
...持ち前の業腹(ごうはら)を起したらしい...
吉川英治 「私本太平記」
...李逵は楊大臣以下の宮廷人らを相手に例のごとき持ち前の暴勇をふるい出し屋鳴(やな)り振動のうちに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...野太刀の鞘(さや)を払って天魔のように持ち前の残忍を揮(ふる)いだした...
吉川英治 「親鸞」
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