...しかし父はその持ち前の熱心と粘り気とを武器にしてひた押しに押して行った...
有島武郎 「親子」
...」「貧乏はおれの持ち前だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...これら各々の持ち前を出し合って一つの仕事一つの生活を支え合うところに家族の面白さがあるのである...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...そうしてこそ人各々の持ち前に応じた進歩があり...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...と云う持ち前の図太さから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...もともと派手を競うのは持ち前の負けじ魂に発しているのでその目的に添(そ)わぬ限りは妄(みだ)りに浪費することなくいわゆる死に金を使わなかった気紛(きまぐ)れにぱっぱっと播(ま)き散らすのでなく使途を考え効果を狙(ねら)ったのであるその点は理性的打算的であったさればある場合には負けじ魂がかえって貪慾(どんよく)に変形し門弟より徴(ちょう)する月謝やお膝付(ひざつき)のごとき...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...その持ち前の好人物らしい狼狽(うろた)え方で小さな眼をパチパチやらせた...
谷崎潤一郎 「途上」
...持ち前のおどけ癖で...
火野葦平 「花と龍」
...あるいは慈悲に似たることあるもその実は人に持ち前の権理通義を許すことなくして...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...持ち前のすこししゃがれたような声で...
堀辰雄 「三つの挿話」
...血を啜(すす)って持ち前の声を発揮しております...
夢野久作 「鼻の表現」
...持ち前の狂躁病(きょうそうびょう)が起っておるらしいな」と...
吉川英治 「三国志」
...兄者の持ち前だが...
吉川英治 「私本太平記」
...さいぜんも篤(とく)と拝見していたが、あれほどな腕前がおありなら、官途に志願しても」「いや、そいつがですね、持ち前、いッち嫌いなんですよ」「どうしてです」「朝廷(おかみ)はでたらめ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そこで淫婦の持ち前...
吉川英治 「新・水滸伝」
...野太刀の鞘(さや)を払って天魔のように持ち前の残忍を揮(ふる)いだした...
吉川英治 「親鸞」
...(それは捨ておけぬ)ふたたび持ち前の嫉視を向け...
吉川英治 「親鸞」
...おれっちの持ち前だ」「つまみ出しちまえ」「わざと...
吉川英治 「宮本武蔵」
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