...持ち前の性分の爲めにまた失敗したことがあるさうだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...持ち前の病氣がどうしても途中で下車をしなければならなくなつたのです...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...持ち前の小心でいろいろと苦に病み...
大阪圭吉 「闖入者」
...持ち前の男らしさを見せていた...
田中貢太郎 「黄金の枕」
...と云う持ち前の図太さから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...もともと派手を競うのは持ち前の負けじ魂に発しているのでその目的に添(そ)わぬ限りは妄(みだ)りに浪費することなくいわゆる死に金を使わなかった気紛(きまぐ)れにぱっぱっと播(ま)き散らすのでなく使途を考え効果を狙(ねら)ったのであるその点は理性的打算的であったさればある場合には負けじ魂がかえって貪慾(どんよく)に変形し門弟より徴(ちょう)する月謝やお膝付(ひざつき)のごとき...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...どうせ自然の力には従わなければならないのはわかっていますが――そこに理想があって物にあこがれるところがあるのが人間として意味がある」持ち前の猫背をいよいよ猫背にして...
田山花袋 「田舎教師」
...あっちゃから往きます」女の持ち前の愛想のない調子でそんなことをいう...
近松秋江 「黒髪」
...レックミア侍従は持ち前の冷静さを取り戻した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...持ち前の歌い調子で広重描く江戸百景をさながらに美しくマザマザと見せてくれた...
正岡容 「寄席」
...」之が彼の持ち前である...
松永延造 「職工と微笑」
...持ち前の誠実な便利な国語で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...見る見る持ち前の記者本能に立ち帰ってしまったものだそうです...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...この男のふだんの持ち前として...
吉川英治 「折々の記」
...恋愛にも持ち前の短気をあらわして武人らしく云い放った...
吉川英治 「三国志」
...持ち前の短気から...
吉川英治 「三国志」
...兄者の持ち前だが...
吉川英治 「私本太平記」
...持ち前の大声(たいせい)をあげ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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