...苦味(にがみ)の走ったキリリとした顔の持ち主――大蘆原(おおあしはら)軍医だった...
海野十三 「恐しき通夜」
...彼はあの古い建物の持ち主だった...
海野十三 「疑問の金塊」
...普通の人より以上に健康な体躯の持ち主だということが出来る」そんなことは云われなくても分っているようなものだった...
海野十三 「三人の双生児」
...その他どう見ても優しいそうして濃まやかな感じの持ち主の手になったものとしか思われない...
寺田寅彦 「柿の種」
...二人の鼬鼠の持ち主のところへも...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...自宅庭で数回見た小さな足跡の持ち主だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...このダイヤの持ち主をご存じなのでは?」「ええ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...もじゃもじゃ浮浪者がこの車の持ち主だと知っていたら...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...持ち主はよく知っております...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...その家の持ち主の妻や子供達や...
宮本百合子 「毛の指環」
...この境界を超脱した純正純美なる鼻の表現の持ち主こそ真の紳士...
夢野久作 「鼻の表現」
...きのうの船中で見たあの殺伐な眼の持ち主にしろ...
吉川英治 「私本太平記」
...本来どんな愛情の持ち主か...
吉川英治 「新書太閤記」
...文句があったら、持ち主自身、取りによこせ)と、担(かつ)いで、持ち去った男がある――というお里の答えなのである...
吉川英治 「松のや露八」
...我々一人一人の脳裏にまともな頭の持ち主ならとても口にできない種類の放縦な推測が巡っていたことなどないと断定する程ナイーヴにはなれない...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...そこで複雑な情緒の持ち主の間からも単純な文芸しか生まれ得ないということは可能であった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...すなわち位田職田の収入はその持ち主の経営法にかかる問題であって...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...また自分と久松との恋が許嫁(いいなずけ)のおみつにいかなる苦痛を与えるかということにさえもかつて気づかなかった単純な心の持ち主である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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