...だから桜ン坊の捕虜(ほりょ)になって、円タクを拾うと、例の女の家の方面へ飛ぶのだ...
海野十三 「地獄街道」
...それを黙って拾うてくるんやと...
海野十三 「蠅男」
...或は石を拾うて敵に投げ...
丘浅次郎 「人類の将来」
...拾う――といつても遺失物を拾ふといふのではない(東京には地見といふ職業もあるさうだが)...
種田山頭火 「行乞記」
...花ざくろを活ける、美しい年増女か!石を拾ふついでに、白粉罎を拾うた、クラブ美の素といふレツテルが貼つてあつた、洗つても洗つてもふくいくとしてにほふ、なまめかしい、なやましいにほひだ、しかし酒の香ほどは好きでない、むろん嫌いではない、しばらくならば(これは印肉入にする)...
種田山頭火 「行乞記」
...句を拾うてうれしかつた...
種田山頭火 「其中日記」
...落鰻(おちうなぎ)を拾う下人(げにん)が五人ばかり...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...栄町通りでタキシを拾うと...
久生十蘭 「金狼」
...自転車で日比谷あたりに捨てられた仔猫を拾うて...
三浦環 「お蝶夫人」
...拾うて鶏が少しもその膳を穢(けが)さず...
南方熊楠 「十二支考」
...三人を拾うとなれば...
三好十郎 「恐怖の季節」
...(見廻して吉村の飲んでいた酒の入っている徳利を見て、拾う)妙だねえ、あの騒ぎに、ひっくり返りもしないでいる...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...外の奴は実(み)のある物を拾う積(つもり)で...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...拾うて還って床の側(かたわら)に立てて置いたという例があるのを見ると...
柳田国男 「山の人生」
...走っていって木剣を拾うと「もういちど来い」と喚いて...
山本周五郎 「花も刀も」
...いかにも吾輩が犬を拾う時の腕前は...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...典膳は落ちている自分の刀を拾うと...
吉川英治 「剣の四君子」
...うしろにおる女性はたれでおざるの」「お、これか」忘れていたものを思い出したように、ふり向いて、「途中で、拾うて来た、おんなじゃよ」「ほ...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索