...事件の現場で拾った懐中時計と三枚の十銭ニッケル貨幣とを返却して貰うことだった...
海野十三 「深夜の市長」
...そのとき青二が通りかかって猫を拾ったわけだ...
海野十三 「透明猫」
...股野に拾われて結婚した...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...句を拾ふ――こんな気持にさへなつた...
種田山頭火 「行乞記」
...煙草は拾うて吸ふ...
種田山頭火 「行乞記」
...なお漁村の児童が海浜に立ちて砂石を拾いもって潮流の進み来たるを遮(さえぎ)らんとするがごとし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...椿の花が落ち散ってるのを拾い集めている時...
豊島与志雄 「幻の園」
...人々はイワンのぐるりを取りまいて拾いました...
トルストイ Tolstoi 菊池寛訳 「イワンの馬鹿」
...殷の方は契(せつ)の母が玄鳥の卵を墮すを拾つて食べたので姙娠し...
内藤湖南 「女眞種族の同源傳説」
...彼の母はそれを見兼ねて枳(ケンボナシ)の実を拾って来て其塞った鼻の孔へ押し込んでは僅かに呼吸の途をつけてやった...
長塚節 「太十と其犬」
...小判を隠した場所を嗅ぎ付けたんだろう」「…………」「昨日(きのう)三枚の小判を隣のドブ板の隙間から拾ったと言ったが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一時間(いちじかん)に何十本(なんじつぽん)となく拾(ひろ)ひ得(え)られました...
濱田青陵 「博物館」
...三歳程度の設問をもったいぶって拾いだしていた...
本庄陸男 「白い壁」
...拾わぬ先の珠としも思いきられず...
三宅花圃 「藪の鶯」
...何たる哀愁か?――わたしは石を拾つて川の中へ投げ十分ばかりも遊んでゐたが...
室生犀星 「故郷を辞す」
...老婆は濁った目で兵士たちのホームをみて、それを拾い、肩にかけた袋にひょいと入れる...
山川方夫 「その一年」
...投げ銭を拾うのである)...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...その後サーベドラはフィリッピン諸島でマガリャンスやロアイサの遠征隊の落武者を拾い...
和辻哲郎 「鎖国」
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