...下駄(げた)の台を拵えるのが仕事だと聴いてはいるが...
岩野泡鳴 「耽溺」
...法隆寺には巧みに出来た偽の玉虫厨子が安置してあったのです」「偽物? ああ云う古代美術の偽物を拵えるなんて...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...指で沢山のくびれを拵えるのだ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...その銭を拵える心の努力(はげみ)は決して容易ではなかった...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...四つも拵えるだな...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...どうしていやな黄色の花などを拵えるのだろう...
豊島与志雄 「朝やけ」
...御威勢の盛んな時分ならこんなものを拵える奴もなかろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうかするとお辰が代ってやることもあります」「摺り餌を拵える乳鉢(にゅうばち)は幾つくらいある」「三つあったはずですが」「二つしかないな――一つはどうしたんだ」「さア」「ところで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わざわざ女結びの丁寧な縄で拵える筈は無いのですから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...種子を拵えるは子孫を継ぐに在る...
牧野富太郎 「植物記」
...何時とはなしに続々と出てこれが盛んに強力な種子を拵えるのである...
牧野富太郎 「植物記」
...何をいえわが帝都の真ん中へ類の無い一つの別世界を拵える事であれば...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...拵えると云う心持を創作の時に持たせる事がありはしまいかと思う...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...拵える、見て貰う、と云う心持が抜け切らないと、昔からの出来るだけ見よく仕て見て貰うと云う女性特有な関心と affectation が動き出して来るのではないだろうか...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...これ以外に拵える手は無えんだ...
三好十郎 「樹氷」
...そういう御馳走にはボイルドフィッシを拵えるにも白葡萄酒(しろぶどうしゅ)ばかりで蒸してフレッシバターを塗って色々の附合(つけあわ)せをしますからお魚一人前が一円以上かかります...
村井弦斎 「食道楽」
...第二十一 ハムのサンドイッチは汽車の停車場でよく売っていますが家で拵える時には上等のハムを一度ザット湯煮て使わなければなりません...
村井弦斎 「食道楽」
...小さいうちに着物を拵えるのは損だと云う...
森鴎外 「雁」
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