...見ると両方の手がもう半分ぐらい拳固(げんこ)の形になっています...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...大きな拳固をかため杉田の頤を覘(ねら)ってがーんと猛烈なアッパー・カットを――...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...力まかせに拳固でテーブルを撲りつけた...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...」拳固で卓上を叩いて彼は叫んだ...
豊島与志雄 「オランウータン」
...拳固(げんこ)を恐(こわ)がってるのだと思われていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...尾形は食卓を拳固で殴りつけ...
豊島与志雄 「聖女人像」
...その凸額に拳固を喰わせその鼻を折り挫いてやりたい気がした...
豊島与志雄 「反抗」
...指先から次には平手で、次には拳固で、力一杯に押しっくらをしてみたくなった...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...僕は今擲ぐらうか今擲ぐらうかと思つて拳固まで固めてゐたんだけれど...
中原中也 「分らないもの」
...髷節(まげぶし)が少しゆるんで拳固(げんこ)で額際の汗を撫(な)であげる様子は尋常ではありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...指物師の勘太を擧げて行つたから癪(しやく)にさはるぢやありませんか」八五郎は自分の拳固(げんこ)のやり場に困るやうに鼻を撫で上げたり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まるっきり通用しねえ」八五郎は拳固を顎杖(あごづえ)にして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...続いて第二発目のストキの拳固(げんこ)がボースンの横っ腹へ飛んで来た...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...鬼のやうな拳固を頭上に構えて...
牧野信一 「早春のひところ」
...働き抜いて妾に綺麗な着物をどつさり買つてあげると云つたぢやないか?」踊子のシツダルは拳固を震はせて水夫に詰め寄つたが...
牧野信一 「山彦の街」
...気早の拳固(げんこ)を突き出して...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...拳固を握りしめて...
宮本百合子 「一太と母」
...その副院長の鼻の先に拳固(げんこ)を突き付けたまま...
夢野久作 「一足お先に」
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