...のみならずついに相手の拳が...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...所天は妻の束髮あたまへ拳骨を一つ喰らはせることもある...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ではないか」宇治はしかし拳銃を握ったまま警戒の姿勢を動かさなかった...
梅崎春生 「日の果て」
...矢庭に拳をふり上げて...
薄田泣菫 「茶話」
...生温(なまぬる)い四国弁などでぐずぐずいうと頭から鉄拳(てっけん)でも食わされそうな心持もするし...
高浜虚子 「子規居士と余」
...三人の拳は搦(から)みあった...
田中貢太郎 「春心」
...小さな握り拳で叩いていました...
豊島与志雄 「古木」
...拳固(げんこ)をかためて頭のところへもっていったようなことをしたが...
長谷川時雨 「テンコツさん一家」
...厩舎に拳(こぶし)を振り上げて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...力のみだ!」私は思はず左腕の力瘤を拳骨で叩きながら...
牧野信一 「武者窓日記」
...のどもとに拳を作って...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...拳固(げんこ)で思うさま殴りつけたくなることがある」「どうしてやらないんだ」「まえならやってますよ...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...徒手空拳で敵を倒すのだが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...頭(かしら)を低(た)れて両方の拳を固く握り締めて申しました――「そうだ...
夢野久作 「白髪小僧」
...指が白くなる程固く握り詰めているウルスター・ゴンクール氏の拳(こぶし)は...
夢野久作 「暗黒公使」
...「あ痛(いて)ッ! ちくしょうッ」燕作は拳(こぶし)をかためて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...父の拳法が生きていた頃から...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「しばらく、お待ちを……」と、巌流は、なお他念なく、「掌(て)の上の餌だけ、喰べさせてしまいますから」「御拝領の鷹じゃの」「されば、去年の秋、お鷹野のみぎりに、お手ずから戴きました天弓(あまゆみ)と名づくる鷹で、馴れるにつれ、可愛いものでなあ」掌に残された餌を捨て、朱房の紐(ひも)を手繰(たぐ)りかえして、「辰之助(たつのすけ)、鷹小屋へ入れておけ」と、うしろにいる年少の門人を顧みて、拳から拳へ、鷹を渡した...
吉川英治 「宮本武蔵」
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