...薩摩(さつま)蝋(らふそく)てら/\と光(ひか)る色摺(いろずり)表紙(べうし)に誤魔化(ごまくわ)して手拭紙(てふきがみ)にもならぬ厄介者(やくかいもの)を売附(うりつ)けるが斯道(しだう)の極意(ごくい)...
三文字屋金平 「為文学者経」
...それから手拭でごしごし石鹸を揉んで身體を洗ふ...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...お爺さんは無言で立つて懷紙でその縁側の糞をていねいに拭き取る...
太宰治 「お伽草紙」
...蚊に螫(さ)された痕(あと)のある手の甲で額の汗を拭(ふ)き拭き...
谷崎潤一郎 「細雪」
...可笑しいでせう?」涙顔(るいがん)を拭きもせずそのまゝで笑つて...
田山録弥 「時子」
...已むを得ず寝間着の袖で霜を拭い落した...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...軒別に手拭か半紙...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...鉢卷をとつて額を拭つて居る...
長塚節 「芋掘り」
...あなたに拭って貰いたいなどと...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...津田はそのたびにガーゼで拭き取られなければならない赤い血潮の色を...
夏目漱石 「明暗」
...あつしはあの手拭が氣になつてならねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その晩騒ぎの最中にも手拭の泥を洗っておいたんだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まだ拭き取つてゐない筈だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...血潮の汚れは拭き清めてあつたにしても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼にはキリストの体を拭き浄めた水に見え...
横光利一 「旅愁」
...手拭で顔をつつみ...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...その船を見やりながら、岩にかけて、肌の汗をおし拭(ぬぐ)っていた鹿之介は、「……彦九郎」と、呼んで、側にいた従者の後藤彦九郎に、手拭を渡し、「冷たい川の水で、ひとつこれを絞って来てくれい」と、いいつけた...
吉川英治 「新書太閤記」
...ほっと楠平が汗を拭っていた時である...
吉川英治 「夕顔の門」
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