...「拙者」は、武士が自分自身を謙遜する言葉として使われます...
...「拙者」ではなく、「私」と言う方がより一般的な言葉遣いです...
...魔物退治は是非とも拙者にお委せあれ」というようなわけで...
海野十三 「くろがね天狗」
...どうか拙者を出世さして下さりませ...
江見水蔭 「備前天一坊」
...初めに拙者のはうから譲つてくれと切り出したことでもあるし...
薄田泣菫 「小壺狩」
...俯向いて「拙者の手にかかって――」と...
直木三十五 「南国太平記」
...拙者は君を侮辱するつもりでいうんじゃないよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...宇津木はいいようなものの、君の方は、主人とか、抱え主とか、旦那とか、後援者とかいうものがあるだろう、それに無断で出奔するというのは甚だよくない……実はその飛ばっちりで、拙者なども、痛くない腹を探られたのみならず、膝っ小僧へ火をのせられて熱い思いをした」仏頂寺弥助が真顔になってこう口走ると、丸山勇仙が、「フフフフフ」とふき出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「拙者は、もとは江戸ですが、諸国を歩いて、昨日松本から、これへやって来ました」「左様でございますか」久助は、こくめいに頭を下げると、村田が引取って、「時に、あなた様は武者修行ですか」と兵馬に、これもはじめて反問を試むると、兵馬も心得て、「まあ、武者修行と申せば、武者修行のようなものでございましょう、未熟ながら、剣術稽古を兼ねての諸国の旅です」剣術修行を兼ねて仇討(あだうち)の旅でございます、とも言えないから、素直にこう言うと、村田が、「ははあ、それはお若いに御殊勝のことでございますな...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この一條は拙者畢生(ひつせい)の過ち...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...拙者の小刀を貸さう――尋常に向つて來るか」「いや私は町人だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「では拙者は一と回り様子を見て参る」伊藤治太夫は大言を吐いた手前...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...拙者(せっしゃ)立花久三郎は立花久三郎だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「こいつは拙者の思ひそつくりぢや...
牧野信一 「淡雪」
...それなら申そうが、拙者は、独創天心流を聊(いささ)か修得した、門倉平馬という者だ」「独創天心流」と、闇太郎は肯首(うな)ずいて、「それでは、例の、御蔵前組屋敷近所の、脇田さんの御門人か?」「うん、今日まではなあ、今日からは、自流で立とうとする、門倉平馬だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...拙者も意気地として...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...私のことなどはちッとも助ける気じゃなかったんですか」「お粂ッ――貴様も拙者にとれば仇(かたき)の片破(かたわ)れだぞ...
吉川英治 「江戸三国志」
...拙者の棒術は、お見せするほどの妙技ではありませんが」「では、庭上に出て、願おうか」ここで、よろこんだのは、二人の端公だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...清水一学の腕も、およそは計っているつもりだ』『一学が、敵(かたき)か』『――で無いにしても』『今夜、一気に、かかりたいのは、拙者でも、御老人でも、変りはない...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そして、「坊主、おまえは、ちょっとの間、階下(した)へ遠慮しておれ」三露八が、階下(した)へ去ると、桂は、声をひそめて、「実は、拙者の友人で、土肥八十三郎(どいやそさぶろう)という者が、ちと嫌疑をうけて、入牢(じゅろう)した」こう話し出したのだった...
吉川英治 「松のや露八」
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