...実をいうとこの評判は美妙の作よりは省亭(しょうてい)の拙い裸体画の成功であったのだ...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...非常に拙いことが起った...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...拙いやうであるが...
薄田泣菫 「独楽園」
...某の運が拙いばかりに...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...文章が拙いに拘らずぐんぐん引張られて行くやうな作がある...
田山録弥 「不思議な鳥」
...拙いカツレツを食つた時のことを思出す...
田山録弥 「町」
...(昭和十五年十月)あとがき小川正子女史の「小島の春」に拙い跋文を書いた事が縁となつて其出版者長崎次郎氏に面會した...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...食物の拙いのには...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...拙い御詠歌を歌いながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「この筆蹟(て)に覺えはありませんか」「全く見たことも無い拙い字で」それは子供の手習ひのやうな稚拙な文字で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ワザとそんな拙い白(しら)を切つたのである...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...純造よりも五寸がた丈の高い西岡はそのガツシリした偉躯を蹣跚とさせながら洞ろな声を張り挙げて切りに拙い歌をうたつた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...その時に「所感」と題して私の作った拙い詩があるからオ目に掛けます...
牧野富太郎 「植物記」
...その時に「所感」と題して私の作った拙い詩があるからオ目に掛けます...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...いかなる拙い人にも必ず一ヶ所や二ヶ所は...
正岡容 「小説 圓朝」
...拙い顔をしているし...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...そこにある銅像は見ても見なくてもいいような拙いものではなくて...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...あまり優れた才能を持たない後代の人の拙い改造として説明され得るでもあろう...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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