...危険なこともあるまいね」部長は彼程の地位にも拘らず...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...私は陰気な境遇にも拘らず...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...だがそれにも拘らず日本ファッショ的イデオロギーは国民の身辺にいつとなく薫染しつつあることを見逃してはならぬ...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...理論乃至科学は均衡ある周到な分析にも拘らず...
戸坂潤 「思想としての文学」
...彼等が地主・ブルジョアの代弁者であるにも拘らず...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...だがそれにも拘らず...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...米友を拝みたいくらいにしているのに拘(かかわ)らず...
中里介山 「大菩薩峠」
...それにも拘らず、お師匠様なる人は相変らず悠長に構えて、別に差当っての用事を頼むのでなく、意見を加えがてら、話し相手のお伽(とぎ)にするようなあんばいで、「お前は、まだ知るまいが、あの駒井様という殿様のお家は、近いうちに潰(つぶ)れます、いま甲府では飛ぶ鳥を落すほどの御支配様だけれど、遠からず、お家をつぶされて、お預けになるか、または御切腹……これはまだ内密のことだから誰にも話してはなりませぬ……そうなるとこちらの殿様が、そのあとをついで御支配に御出世なさるようにきまっている、だからお前も、そのつもりで、うちの殿様のお面(かお)にかかるようなことをしてはなりませぬ、まあ、じっとして、もう暫らく見ておいで」と言っているお絹は、何か企(たくら)むことがあって、やがてそれが成就(じょうじゅ)した時を楽しみにしているように見えます...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼女の今までの行動は何物にも拘泥(こうでい)しない天真の発現に過ぎなかった...
夏目漱石 「行人」
...しかしそれにも拘らず事実は十一人の子女が見事に育て上げられたのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...にも拘(かかわ)らず彼らは...
本庄陸男 「石狩川」
...挙動不審の廉(かど)で拘引(こういん)された嫌疑者...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...社会は期待の魔術的な拘束力の上に建てられた建物である...
三木清 「人生論ノート」
...八月二十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 国府津より(封書)〕八月二十四日 国府津 第二十六信...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...八月二十二日〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕八月二十一日 第三十六信十六日のお手紙への返事...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...九月二十日〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 田辺至筆「秋の戦場ヶ原」(一)と有島生馬筆「霧嶋連山遠望」(二)の絵はがき)〕(一)二十日...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...眼が痛む程眠つてゐるにも拘らず...
横光利一 「悲しみの代價」
...彼は秋蘭の足がただ所々擦(す)りむけて筋が捻(よじ)れただけにも拘らず...
横光利一 「上海」
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