...明時代に取つた拓本が一二枚今日迄遺つて居る...
會津八一 「拓本の話」
...彼等は自分で苦しんで勝手に其途を拓いて行くに違ひない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...目標をそこに置いて年月を重ねて研究を積むことによって新しい境地はいくらでも拓(ひら)けてくるのである...
高浜虚子 「俳句への道」
...六朝碑碣の拓本もいいし...
高村光太郎 「書をみるたのしさ」
...寿さんの努力で後山がよく開拓されてある...
種田山頭火 「行乞記」
...他方ではまたアメリカン・レビュー的連句の開拓も展望される...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...真理はただ適切な帰結の先取によってのみ開拓される...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...そんな調子で、話がそれからそれとはずんで行くうちに、白雲が、ついに望蜀(ぼうしょく)の念を起してしまって、「ああ、それそれ、もう一つ仙台家に――特に天下に全くかけ替えのない王羲之(おうぎし)があるそうですが、御存じですか、王羲之の孝経――」「有ります、有ります」玉蕉女史が言下に答えたので、白雲がまた乗気になり、「それは拝見できないものでしょうかなあ」「それはできません」女史はキッパリ答えて、「あればっかりは、わたくしどもも、話に承っておりまするだけで、どう伝手(つて)を求めても拝見は叶いません、いや、わたくしどもばかりではございません、諸侯方の御所望でも、おそらくは江戸の将軍家からの御達しでも、門外へ出すことは覚束なかろうと存じます」「ははあ、果して王羲之の真筆ならば、さもありそうなことですが、王羲之の真筆はおろか、拓本でさえ、初版のものは支那にも無いと聞いています――そういう貴重の品が、どうして伊達家の手に落ちたか、その来歴だけでも知りたい」という白雲の希望に対しては、玉蕉女史が、次の如く明瞭に語って聞かせてくれました...
中里介山 「大菩薩峠」
...本統に新しい科学の分野を拓(ひら)く人は後者の型ではなかろうか...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...開拓精神(フロンティア・スピリット)を失わないこと...
中谷宇吉郎 「ピーター・パン」
...眞直な廣い路を伐り拓けばいゝのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...やがて拓(ひら)けるであろうというこの土地に...
本庄陸男 「石狩川」
...澎湃たる絶望感とに沈湎して骨にならぬ限りは拓かるべき道もないとおもつてわたしはあのやうな山径ばかりを転々としてゐるのであるが...
牧野信一 「痩身記」
...自己の道を開拓してゆかねばならぬ...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...これ等の精鋭な新人達と共に新芸術の研磨開拓に精進し...
三岸好太郎 「黄色い鋼鉄船」
...また輸送路も切り拓(ひら)いているに違いありません...
吉川英治 「黒田如水」
...また折々宇宙の開拓地へと乗り出して行った他の諸存在の到来を...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...巨椋池はその後干拓工事によって水位を何尺か下げた...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
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