...情婦殺しや拐帯(かいたい)犯人も人生の十字架にかかつてゐるのだ...
芥川龍之介 「闇中問答」
...拐帯者(かいたいしゃ)の足は薄いか...
梅崎春生 「幻化」
...彼は今顧問弁護士をしていた会社の金を三万円拐帯(かいたい)して...
徳田秋声 「仮装人物」
...それが最近少なからぬ金を拐帯(かいたい)して...
徳田秋声 「仮装人物」
...三月以降警視庁管下だけでも、現職巡査が拐帯、泥酔暴行、賭博現行、収賄、等々で挙げられたのは七八件に止まらないのである...
戸坂潤 「社会時評」
...富豪から出さした一万に近い金を拐帯したとの噂だった...
豊島与志雄 「神棚」
...会社の金を拐帯して上海へ飛び...
豊島与志雄 「常識」
...権堂が百万円の大金を拐帯して...
野村胡堂 「悪人の娘」
...あんな大きい拐帯犯人は...
野村胡堂 「悪人の娘」
...多年積んだ不義の富を拐帯(かいたい)して江戸の坩堝(るつぼ)の中に深く隠れてしまったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もしレーノォが「機密兵器拐帯」に関係していれば...
久生十蘭 「悪の花束」
...拐帯(かいたい)犯人だということを知られたくなかった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...まるで拐帯犯人を探すやうな騒ぎでしたわよ...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...「その女は二年前に君の金を拐帯(かいたい)して逃げたというのかね...
松本泰 「緑衣の女」
...そして、一九二八年三月十五日、三・一五として歴史的に知られている事件のころから共産党の組織に全国的にはいりはじめていた警察スパイが、最もあからさまに活躍して、様々の金銭問題、拐帯事件、男女問題を挑発し、共産党員を破廉恥な行為へ誘いこみながら次から次へと組織を売っては殺させていた年であった...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...養蚕の失敗に引続く信用組合の公金拐帯(かいたい)の尻を引受けて四苦八苦の状態に陥り...
夢野久作 「巡査辞職」
...川村書記の大金拐帯(かいたい)等の怪事件を連続的に惹起し...
夢野久作 「少女地獄」
...私へ送って来た二百円の金を拐帯(かいたい)して逃げ失せるような男とは...
夢野久作 「眼を開く」
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