...抽象的な言葉ばかり使つてゐる後代のクリスト教的ジヤアナリスト――牧師たちは一度もこのクリストのジヤアナリズムの効果を考へなかつたのであらう...
芥川龍之介 「西方の人」
...一体これらの言葉あるいはそれに相当する抽象的な概念は自然その物に内存していて...
寺田寅彦 「言語と道具」
...この定座の月と花とが往々具体的な自然現象としてではなくむしろ非常に抽象的な正と負の概念としてこの定座の位置に君臨している観があるということである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...自然科学の最も抽象的な理論も...
戸坂潤 「技術の哲学」
...この第三のものは極めて抽象的な内容で...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...印象は大抵単純で端的な好悪・快不快というような抽象的な規定として受け取られるのであり...
戸坂潤 「思想としての文学」
...抽象的なそして媒介的に直接な「始元」たる純有を結果するのだとすれば...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...単に思想上の抽象的な対抗から...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...反乱の出発点は常に抽象的なものだからである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ついにはもうとっくにKにはついてゆけないようなきわめて抽象的な検討に引っ張りこまれることもまれではなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...抽象的な理論からではなくて...
平林初之輔 「文学方法論」
...しかしながらそれは自然的立場に於ける抽象的な考へ方の上でのことであると思はれます...
三木清 「消息一通」
...自己といつてもこの場合抽象的なものである...
三木清 「人生論ノート」
...しかしながらそれはなほ抽象的な甲、抽象的な乙、つまり抽象的な社會を相手にしてゐるのである...
三木清 「人生論ノート」
...宗教の祕密は永遠とか人類とかいふ抽象的なものがそこでは最も具體的なものであるといふことにある...
三木清 「人生論ノート」
...この永遠というものは抽象的なものである...
三木清 「人生論ノート」
...しかしながら抽象的なものの重要な意味を理解することが肝要である...
三木清 「哲学入門」
...――そのころの宏子はもとより母と富岡とが或る時はひどく抽象的な云いまわしで...
「海流」
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