...もともと社会状態というのは抽象的な概念であるから...
津田左右吉 「歴史の学に於ける「人」の回復」
...要するに科学の基礎には広い意味における「物の見方と考え方」のいろいろな抽象的な典型が控えている...
寺田寅彦 「科学と文学」
...科学の何か固定した抽象的な図式と考えているに違いない――前を見よ...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...自分の(抽象的な)普遍性を主張する...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...何となれば凡そ抽象的な対立概念で絶対的区別が不可能でないようなものは一つもあり得ない...
戸坂潤 「性格としての空間」
...感覚を欠いた抽象的な観念の輪郭に過ぎないと考える向きもあるかも知れないが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...全く抽象的な仮定に過ぎなくて...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...彼女の利己主義は漠然(ばくぜん)たる抽象的な色に塗られていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それら抽象的な論理の中に吹き込まれ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...お互の態度に及ぶ抽象的な問題になったために...
豊島与志雄 「理想の女」
...抽象的な知的自己に対しては単に与えられたものという如きものが考えられるであろう...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...昔の社会は今の社会ほど抽象的なものでなかった故(ゆえ)に...
三木清 「人生論ノート」
...ゲゼルシャフト的な抽象的な社会においてはこのような名誉心は根柢のないものにされ...
三木清 「人生論ノート」
...ただ彼の自我はすべての人に共通なものと考えられた抽象的な形式的な自我にとどまっている...
三木清 「哲学入門」
...抽象的な家庭教育などというものはなくて...
宮本百合子 「親子一体の教育法」
...現代には抽象的な情熱が入用なのだそうです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...三木さんは青年の本質は抽象的な情熱をもちうるところにある云々と...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...幸にも抽象的な理知を以てせず...
柳宗悦 「民藝四十年」
便利!手書き漢字入力検索