...この人は」「へえ」「いいから」窓の左側になった箪笥(たんす)へ指をやって「あの引抽(ひきだし)を開けておくれよ」「へい」平吉はうごかなかった...
田中貢太郎 「春心」
...すべての記載をできるだけ数学的抽象的なものにしようという清教徒的科学者の捨てようとしてやはり捨て切れない煩悩(ぼんのう)の悲哀がこういうところにも認められるであろう...
寺田寅彦 「柿の種」
...去年は兄貴(あにき)が抽籤で免(のが)れたが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...必然的にそれ自らに施す処の抽象・自己分析である...
戸坂潤 「科学論」
...技能は比較的に抽象的な人間能力の一つに他ならないが...
戸坂潤 「辞典」
...抽象的なアイデアのイラストとして使っている...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...用箪笥(ようだんす)の上の抽斗(ひきだし)しに入れてある筈です」平次の最初の問ひは少し變つてをります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あそこの抽匣(ひきだし)に鍵かけて収めて置くからもう大丈夫よ...
原民喜 「恐怖教育」
...名譽心の抽象性のうちにその眞理と同時にその虚僞がある...
三木清 「人生論ノート」
...けれども主体的ということも今日では幸福の要求から抽象されることによって一つの倫理的空語となっている...
三木清 「人生論ノート」
...ここでも亦抽象して順二郎は自分に公平だと信じられる行動の理窟を立てているのである...
「海流」
...即(すなわ)ち抽斎の高祖父である...
森鴎外 「渋江抽斎」
...保さんの所蔵の「抽斎手記」に...
森鴎外 「渋江抽斎」
...抽斎が小学に熟練するといっているこの事業は...
森鴎外 「渋江抽斎」
...抽斎は『礼(れい)』の「清明在躬(せいめいみにあれば)...
森鴎外 「渋江抽斎」
...抽斎歿後の第十四年は明治五年である...
森鴎外 「渋江抽斎」
...その百九抽斎歿後の第二十八年は明治十九年である...
森鴎外 「渋江抽斎」
...しかしもしこの物語からある部分を抽き出して鑑賞するならば...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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