...歌人や俳人自身さへ大抵(たいてい)かう信じるか...
芥川龍之介 「変遷その他」
...此等の戀愛は大抵三年か四年の間續いた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...昔は大抵な家では自宅へ職人を呼んで餅を搗(つ)かしたもんで...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...大抵船を売買(うりかひ)して懐中(ふところ)を膨らませた連中(れんぢゆう)だが...
薄田泣菫 「茶話」
...盆暮に取るべき米の切手を抵當として町人から金を借りると云ふやうなことで...
竹越與三郎 「日本の眞の姿」
...大抵三十円ばかりにしかならぬ...
武田麟太郎 「現代詩」
...繰り返して云えば惰性は抵抗を与えるような力ではなくして却って物質の無生命を云い表わす概念であった...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...他の女中は大抵同じ所にじっとしているものなのに...
豊島与志雄 「反抗」
...大抵は一人でその一里の道を歩いて帰って来た...
豊島与志雄 「道連」
...大抵はその娘たちや...
中里介山 「大菩薩峠」
...藁(わら)の小(ちひ)さな極(きま)つた束(たば)が一把(は)は大抵(たいてい)一錢(せん)づゝであつた...
長塚節 「土」
...先生はそういう時、大抵、紫紺(しこん)色の渋い詰襟の洋服を着ているが、村の女たちの、先生に対する人気は大したものである...
中村地平 「南方郵信」
...母家と土蔵の間で、滅多に陽(ひ)が当らないせいもあるでしょう、その辺はさんざん踏み荒らされて、どれが誰の足跡とも判りませんが、あわてたせいか、大抵は素足で、中にひときわ深いのも交じっております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...十一文づゝ二年半餘(はんあま)りも滯(とゞこふ)らば大抵(たいてい)三十文計(ばか)りの引負(ひきおひ)となるべし...
福澤諭吉 「改暦辨」
...葉は大抵常緑にして冬月もなお緑なり...
牧野富太郎 「植物記」
...その妙技なみ大抵の事でない絶好の叙述と知れ...
南方熊楠 「十二支考」
...息のある奴なら大抵驚いて立ち上る...
夢野久作 「難船小僧」
...彼が陣頭に立つほどな抵抗もなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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