...事業と宗教とは自(おのずか)らその性質を異(こと)にするものなりとの観念は普通人間の抱懐する所なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...大事を胸に抱懐しているのであるから...
太宰治 「作家の像」
...かねて抱懐してゐる該博なる菊の知識を披露しはじめた...
太宰治 「清貧譚」
...作家が抱懐する舞台のイメージを...
豊島与志雄 「舞台のイメージ」
...彼の抱懐するロマンティシズムの新傾向――わけても従来の常規を逸脱し...
野村胡堂 「楽聖物語」
...シューマンのリードに対する抱懐(ほうかい)と天分を傾け...
野村胡堂 「楽聖物語」
...諭吉自身が抱懐する政治的見解はこの書のすべての頁(ページ)から最大の注意をもって隠匿(いんとく)された...
服部之総 「福沢諭吉」
...ドニェープルはそれを残らず己が暗黒の胸に抱懐する...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...それは手前の抱懐する主義と医術とに反するからです...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...ますます老豪の精神を振うて世界の人民に対(むか)ってその抱懐するところを訴え...
穂積陳重 「法窓夜話」
...思想検事が「ここにおいて被告はマルクス主義思想を抱懐するにいたり」と法廷でよみあげる告発の文書の文句とは...
宮本百合子 「あとがき(『二つの庭』)」
...この意見ほどに力強くは抱懐することも保持することもできないだろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...抱懐(ほうかい)を話し合ったりしたこともある間なので...
吉川英治 「三国志」
...まず抱懐の一端をのべて味方のうちにある根拠なき妄説(もうせつ)の一つを粉砕し...
吉川英治 「三国志」
...彼の胸の中にはむしろ壮年時代より大きな抱懐があったのである...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...抱懐の疑義を糺(ただ)そうものと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それを抱懐(ほうかい)する私の理由と共に...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...彼の抱懐している計画はサラマンカ大学に於て審査を受けたが...
和辻哲郎 「鎖国」
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