...憚りながら嬢様の聟君(むこぎみ)を択ぶ権は俺にあるんだ...
内田魯庵 「犬物語」
...遂に弥次馬と択ぶところのない声を発しさせてしまった...
海野十三 「深夜の市長」
...いづれを択ぶか!□酒中酒尽――空の世界...
種田山頭火 「其中日記」
...抱えの馭者を情夫にしている商人女と何ら択ぶところはない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...如何なる性質を或る事物の性格として択ぶかは一方に於て...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...今云った変換を適当に択ぶ時...
戸坂潤 「科学方法論」
...私達が同じものを択ぶことは只必然にそうなるんだ...
豊島与志雄 「蠱惑」
...日本人洋服をきる場合には黄(きいろ)き顔色に似合ふべきものを択ぶ事肝要なるべし...
永井荷風 「洋服論」
...」男はかう云つて其次の詞を択ぶやうな様子をしてしばらく眼をとぢて居たが...
平出修 「計画」
...却て身辺の大事を忘却して自身の病に医を択ぶの法を知らず...
福沢諭吉 「新女大学」
...つまり石ころと何の択ぶところがない...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...お互にこの覚悟ある人物を択ぶのが肝要で...
村井弦斎 「食道楽」
...自然と注意して食物を択ぶようになります...
村井弦斎 「食道楽」
...なんの択ぶところもない...
森鴎外 「かのように」
...そしてその読む所の書は自ら択ぶに任せることが出来る...
森鴎外 「渋江抽斎」
...十二天と小港の何れを択ぶべきかと相談した...
渡辺温 「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」
...むしろこの種の情調詩を択ぶに至ったことは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...しかしながら因襲的道徳に鋳られし者が習慣性によって壕の埋め草となり蹄の塵となるのは豕が丸焼きにされて食卓に上るのと択ぶところがない...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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