...図々しさが抜目なく働き出してきました...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...彼等の抜目のないのに...
海野十三 「太平洋魔城」
...刑事の捜索にどこか抜目があったと考える外はありません...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...女の抜目のない利用法にかかったら...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...何事にも抜目のない道具屋である...
薄田泣菫 「茶話」
...自然はまつたく抜目がない...
種田山頭火 「其中日記」
...孰(いずれ)も上等品の註文を取ることに抜目がなかったが...
徳田秋声 「あらくれ」
...とにかくそういう抜目(ぬけめ)のない男の事ですから学士になって或地方の女学校の教師になると間もなくその土地の素封家(そほうか)の壻養子(むこようし)になって今日では私立の幼稚園と小学校を経営して大分評判がよい...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...背の低い・小肥(こぶと)りに肥った・眼鏡の奥から商人風の抜目の無さそうな(絶えず相手の表情を観察している)目を光らせた・短い口髭(くちひげ)のある・中年の校長が...
中島敦 「環礁」
...抜目なく足を運ばす事を忘れた...
夏目漱石 「門」
...あの女は抜目のない...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...靴直しの夫婦の抜目のない監視の眼に見張られ...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...抜目のなさそうな面がまえの男が十二人...
久生十蘭 「春の山」
...そこに抜目のあろう筈はない...
久生十蘭 「魔都」
...抜目なく出所進退を明らかにしておきましたの...
久生十蘭 「魔都」
...私は抜目なく観測しましたな...
久生十蘭 「魔都」
...万事に抜目のない婦人...
二葉亭四迷 「浮雲」
...敵は抜目なくその間から自身の利用すべきものを掴むのだ...
宮本百合子 「刻々」
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