...喜兵衛は狂歌の才をも商売に利用するに抜目(ぬけめ)がなかった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...刑事の捜索にどこか抜目があったと考える外はありません...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...何事にも抜目のない道具屋である...
薄田泣菫 「茶話」
...抜目のない男ですが...
豊島与志雄 「道化役」
...とにかくそういう抜目(ぬけめ)のない男の事ですから学士になって或地方の女学校の教師になると間もなくその土地の素封家(そほうか)の壻養子(むこようし)になって今日では私立の幼稚園と小学校を経営して大分評判がよい...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...本当の値段を言っておくんなさいまし」「だから十八文でいいのだ」「先生酔っぱらっていなさるからいけねえ」「酔っぱらったって商売に抜目(ぬけめ)はねえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...小無頼漢のうちの抜目のないのがこれを利用することになりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...背の低い・小肥(こぶと)りに肥った・眼鏡の奥から商人風の抜目の無さそうな(絶えず相手の表情を観察している)目を光らせた・短い口髭(くちひげ)のある・中年の校長が...
中島敦 「環礁」
...抜目なく拳銃を膝にひきつけた...
久生十蘭 「地底獣国」
...抜目なく出所進退を明らかにしておきましたの...
久生十蘭 「魔都」
...抜目なく行き届き...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...あの際疾い抜目なさがちゃんと忍びこんでおり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...新作戯曲などに対しても抜目なく関心を払つてゐたものらしく...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...かくて不折君は余に向ひて詳(つまびらか)にこの画の結構(けっこう)布置(ふち)を説きこれだけの画に統一ありて少しも抜目(ぬけめ)なき処さすがに日本一の腕前なりとて説明詳細なりき...
正岡子規 「墨汁一滴」
...「この頃は華族様でも抜目はおありにならないこと...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...抜目のない取りなしをして居る恭吉が如何程目立ったか分らなかったのである...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...敵は抜目なくその間から自身の利用すべきものを掴むのだ...
宮本百合子 「刻々」
...中々慾(よく)に抜目(ぬけめ)はないな...
若松賤子 「黄金機会」
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