...藍の地に簡単に白で模様を抜くだけならさしたる事でもないが...
有島武郎 「或る女」
...夜に省みる』へ選り抜くため...
ジェイムズ・アレン James Allen 大久保ゆう訳 「朝に想い、夜に省みる」
...まるで熟練の歯科医が前歯を抜くやうな手つきで...
太宰治 「津軽」
...彼のその訪問の底意を見抜く事を忘れなかった...
太宰治 「列車」
...抜くと駄目になりますから」「それは大丈夫です」「では...
田中貢太郎 「指環」
...封筒の中を直ぐに引き抜くのは躊躇(ちゅうちょ)せられた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...わしの頭が割れるか――ただしはこれを見抜くか? わしは半分は解せた――わしはただ半分だけ解せた」彼は両手に頭を抱えた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...二人立の駕を抜くのは当然であったが...
直木三十五 「南国太平記」
...火箸ほどの銀の棒を抜くと...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...一と晩念入りに調べ抜くことになったのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「ラムネの玉ア抜くの好きぢや」その娘は...
林芙美子 「小さい花」
...ウンと抉って抜くと...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...……それはあんまり」半之助は夫人の眼を射抜くように見た...
山本周五郎 「半之助祝言」
...半日足らず草を抜くうち暑気にあてられて倒れてしまった...
山本周五郎 「藪落し」
...食いついたらきッと抜くといわれた釘抜きの勘次郎――と申す南方(みなみかた)の目明しにございます」会釈がすんで腰を立てる...
吉川英治 「江戸三国志」
...帯(おび)の笛(ふえ)を抜くよりはやく...
吉川英治 「神州天馬侠」
...居合(いあい)を三百回抜くという行(ぎょう)をやっておりまする」「ははあ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...後日の鑑定(めきき)を紛(まぎら)わすからくりさ」「そのために、故意(こい)に、突き刺したまま、抜かずにおいたものでござりましょうか」「いや、突かれた時は、声をあげぬが、抜く時には、悲鳴を発しるものだ」「怖しいほど細心な曲者(くせもの)とみえまする」「なにせい、殺した現場をつきとめる事に急ぎなさい...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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