...そして煙管筒を大きな音をさせて抜き取ると...
有島武郎 「星座」
...鍵穴に差したままにしておいた鍵を抜き取ると...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...後面の石垣のまん中の丸石を抜き取ると...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...どうしても俺ひとりのだけを抜き取る訳に行かない...
大杉栄 「鎖工場」
...「フリントは水夫のポケットから物を抜き取るような人間じゃなかったし...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...自分も思い出したように帯の間にある紅い琥珀(こはく)の叺(かます)を抜き取ると...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...いくらか歪(ゆが)みなりにできた長味のある輪から抜き取るのや...
徳田秋声 「挿話」
...お前はここで休んでおいで」腰なる瓢箪を抜き取ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...この針ばかりは抜き取ることはできやしません...
中里介山 「大菩薩峠」
...刺された槍を抜き取るだけの知恵のあるものではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...手もなくその一枚だけを悪女塚の台下から抜き取るということに意見も一致すれば...
中里介山 「大菩薩峠」
...忘れると危ないよ」「あら」と翻(ひるが)える襦袢(じゅばん)の袖(そで)のほのめくうちを、二本の指に、ここと抑(おさ)えて、軽く抜き取る...
夏目漱石 「虞美人草」
...胴巻を抜き取るような浅ましい所業をするようになったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...へし曲った一本のタバコを抜き取ると...
山本周五郎 「季節のない街」
...あたし二人とも生かしてはおかないわ」女は頭へ手をやり銀の平打の釵(かんざし)を抜き取ると...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...頭から銀の平打の釵(かんざし)を抜き取ると...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...私は私の胸を貫くどのような弾丸をも抜き取る術を覚えている...
横光利一 「欧洲紀行」
...その支えを抜き取る工夫はあるまいか」「ないでしょう!」彦右衛門はほとんど断言して...
吉川英治 「新書太閤記」
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