...「これじゃ(といってほこりにまみれた両手をひろげ襟頸(えりくび)を抜き出すように延ばして見せて渋い顔をしながら)どこにも行けやせんわな」「だからあなたはお帰りなさいましといってるじゃありませんか」そう冒頭(まえおき)をして葉子は倉地と押し並んでそろそろ歩きながら...
有島武郎 「或る女」
...今度はもう抜き出すことが出来ぬという始末ではないか……...
石川欣一 「針の木のいけにえ」
...今度はもう抜き出すことが出来ぬという始末ではないか……...
石川欣一 「山を思う」
...フッと息を入れ百円紙幣を抜き出すと...
海野十三 「空襲葬送曲」
...遂に抜き出すことの出来なかった一弾(いちだん)が身体の中に残りました...
海野十三 「爬虫館事件」
...もっとも災害のあった職業と最小のものとを抜き出すことにした...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...それほど突き進めようとしなかつた……彼は切先きを抜き出すと...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「ブラウン神父の醜聞」
...引っつったようにナイフをポケットから抜き出すと...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...山なす陳述記録から要点を抜き出すというあの才能を持っていない...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...沈んでいく足を抜き出すことはむずかしい仕事で...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...弾丸を抜き出すことはできませんし...
久生十蘭 「キャラコさん」
...靫(ゆぎ)から矢を抜き出す...
久生十蘭 「キャラコさん」
...一刻も早く使者として遺すための一名のジヨーカーを抜き出すべく...
牧野信一 「女に臆病な男」
...切手帳やらエハガキ・ブツクを抜き出すうちに忽ち抱へきれなくなるのであつた...
牧野信一 「裸虫抄」
...一題百句は第一期の修行として極めて善き事なれどその中より佳句を抜き出す事は甚だ困難なるべく...
正岡子規 「墨汁一滴」
...赤く焼けている火(ひばし)を抜き出す...
森鴎外 「山椒大夫」
...ああして抜き出すことが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...梯子段を降りた王子は懐中から短刀を抜き出すや否や...
夢野久作 「オシャベリ姫」
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