...若し警察の捜索に手抜かりがなく...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...隠して抜かりのないつもりが...
高田保 「恋文」
...今も申したようなちょっとした手抜かりがあって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...その辺に抜かりのあるべきはずもなかろうではないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...「御精が出ますね」「うん」米友も鍬を休めていると、お雪ちゃんはだんだん近寄って来て、「少しお休みなさい」「どーれ」と言って、米友は鍬を投げ捨てて、まだ掘り起さない掛けごろの一つの木株へどっかと腰をおろしたが、さて、こういう場合に、抜かりなく、間(あい)のくさびにもなり、心身疲労の慰藉ともなるべき――アメリカインデアン伝来の火附草をとってまず一服という手先の芸当が米友にはできません...
中里介山 「大菩薩峠」
...船上衛生に抜かりなからしめている...
中里介山 「大菩薩峠」
...司会者としての用心に抜かりなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...その辺抜かりなく――」病床に半身を起したのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...検証と訊問とともに少しも抜かりはなかったのである...
久生十蘭 「魔都」
...だが手抜かりは許されません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...拙者のこれまでの指南にも大きな手抜かりがあった事になる」「いや決して……万事...
夢野久作 「斬られたさに」
...実はこちらの物にしたくてたまりませんでしたので……」「如何にも……そこに抜かりはない男だからね……」「イヤ……どうも……」「……ところで今日の用事というのは...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...抜かりあるな」と...
吉川英治 「三国志」
...今日もお抜かりはなかろうの」「お案じなく」「裏の河原のあたりも」「御念にはおよびませぬ」「……ならば安心」若いが...
吉川英治 「私本太平記」
...「これらはみな、土岐、多治見の下郎、雑人(ぞうにん)ではないか」「かんじんな左近や国長は自刃させ、足助次郎も取り逃がし、かかる召使どものみを、捕えて来たとて何かせん」討手の将として向った小串と山本の両将は、「げに、その段は、抜かり申した...
吉川英治 「私本太平記」
...すぐ下の木戸から兵どもが登ってまいろう」「抜かりはないの」「あって堪(たま)ったものではおざらん...
吉川英治 「私本太平記」
...「ところで、三介どのと、お会い申す日どりや、場所なども、抜かりのう、取りきめて参ったろうな」「もとよりです」と藤三郎が答えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...なるほど万端抜かりはない...
吉川英治 「新・水滸伝」
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