...刃(やいば)に歯向う獣のように捨鉢(すてばち)になって彼れはのさのさと図抜けて大きな五体を土間に運んで行った...
有島武郎 「カインの末裔」
...そのためには直接彼らと知り合って談笑のうちにその特質や性癖を見抜くことはもちろん必要であるが...
伊丹万作 「演技指導論草案」
...選抜隊が百名、いよいよ屋上へ通じている階段をのぼって、塔のもっとも下の遊歩場(ゆうほじょう)へ姿をあらわした...
海野十三 「金属人間」
...警官の二三が抜刀した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...数十台の自動車に追い抜かれた...
太宰治 「碧眼托鉢」
...表の塀(へい)の下にひどく草がはえているから抜くようにと注意して行った...
寺田寅彦 「路傍の草」
...通路がその中を抜けてずっと奥まで続いている...
中谷宇吉郎 「八月三日の夢」
...眉毛はすつかり抜け落ち...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...共々に円周圏を抜け出て...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...着流しの男は抜身のままの脇差しをダラリと右手に下げている...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...日本左衛門の肩から胴体を斜めに通り抜けたかと見えました...
吉川英治 「江戸三国志」
...が、やがて、頃合い計ってピタリと立ち止まったかと思うと、「さッ来い、返り討にしてくれる」振り顧りざま、抜き放った、鬼丸包光(かねみつ)の太刀、唸りを生じて、いきなり真っ先に来た千浪の天蓋(てんがい)へザクリッと割りつけた...
吉川英治 「剣難女難」
...李楽は剣を抜いて...
吉川英治 「三国志」
...――お館の方でもお抜かりはございますまいが...
吉川英治 「私本太平記」
...いッそ息を抜かせぬにかぎる...
吉川英治 「私本太平記」
...すばやく抜いたらしい...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...本堂の方を抜けて来て...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...二階の足踏みもオルガンの音も頭からつつ抜けで...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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