...(清蔵)(気抜けした態で)それは...
太宰治 「冬の花火」
...海石は針でその毛を抜きとって言った...
田中貢太郎 「劉海石」
...彼はこの人達もまたよく知り抜いていた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...鼻にしみ込んだこの引き出しのにおいが抜けない限り心底から新しくなりようがない...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...お角がかえって力抜けがしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...日日の「人生レヴィウ」の抜き書きでデッチる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...紋吉は気づかぬらしく、小心さうにもぢもぢとしてゐたが、間抜けた調子で、「散歩ですかい...
北條民雄 「青い焔」
...「お前は出し抜こうとしたな...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...道路のない雑木林の間を抜けて...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...――間)袴 ……(水田へ向って)……おい……(と呼びかけながら着流しの男の抜刀に眼をやり...
三好十郎 「斬られの仙太」
...近寄ってみると抜身の刀だった...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...まるで弾丸のように駆け抜けて行った...
吉川英治 「上杉謙信」
...あわれ外道とも思(おぼ)せ、腰抜けとも思せ、犬畜生ともお蔑(さげす)み下されたく候さりながら、大月玄蕃だけは、かならず私の腕にて刺止(しと)め申す自信これ有り候ゆえ、お身ご不自由なる兄上様は郷里月巣庵にてご安養のほどひたすらねがい上げ奉り候また千浪殿も、拙者ごとき者は、世に亡き者と思い諦められ、ご帰国の上、他家へのご縁をお求めなさるべく、この二つだけは、外道(げどう)の奈落(ならく)より新九郎が本心の合掌、卑怯ながら涙願熱望つかまつり候新九郎御兄上千浪どの二伸、今生(こんじょう)の拝顔も怖らくは今日を限りと覚え候、お情けには、武士を捨てたる野良犬の後をお尋ね下さるまじく、さらばご息災を蔭に祈りて、無恥の酔言を書き捨てて茶屋よりこのまま消え去り申すべく候………………読み終った時、春日重蔵の顔色はまッ蒼...
吉川英治 「剣難女難」
...「新九郎! 覚悟」とばかり抜き討ちに斬りつけた...
吉川英治 「剣難女難」
...頭からこの怠(なま)け者の抜け作などとどなりつけて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...その屋構(やがま)えの旧(ふる)さも間の抜けたほどの大まかさも知るべきであるが...
吉川英治 「新書太閤記」
...壮漢はやや気を抜かれた調子でいった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...それを抜くと中は空洞...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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