...彼は此等の學者の説を破壞し――否破壞ではない唯一束にして抛擲しただけである――抛擲しなければあの穩健な藝術の定義に到達することが出來なかつたか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...猶ほ此理想を抛擲することが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...薬莢の抛擲...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...これを抛擲(ほうてき)して顧みざらんか...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...なにを苦しんで今日まで抛擲なすっておくのでございますか...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...自分の心を癒そうとするもののみが知る愛と抛擲とがあった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...利休にはそれが以前の持主の名器に対する執着の抛擲(はうてき)のやうにも見えました...
薄田泣菫 「利休と遠州」
...一切を抛擲(ほうてき)して先ず神を見る可く全力を傾注する勇気が無い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ペテルブルグという自分にとっては掛けがえのない地の利を抛擲してまで...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...正当の職業である薬草取りの一日の業を抛擲(ほうてき)してしまって...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうしたのです」意地悪いお雪ちゃんいじめを抛擲(ほうてき)して...
中里介山 「大菩薩峠」
...さういふ試みを抛擲して...
平林初之輔 「文学方法論」
...身命を抛擲(ほうてき)するの栄を受く...
福田英子 「妾の半生涯」
...記実の中にてもただ自己を離れたる純客観の事物は全くこれを抛擲(ほうてき)し...
正岡子規 「俳人蕪村」
...記実の中にてもただ自己を離れたる純客観の事物は全くこれを抛擲(ほうてき)し...
正岡子規 「俳人蕪村」
...倫理学でさえ今日では価値体系の設定を抛擲(ほうてき)してしかも狡猾(こうかつ)にも平然としている状態である...
三木清 「人生論ノート」
...その年久しい分配供与の任務を抛擲し...
柳田国男 「木綿以前の事」
...都府を抛擲(ほうてき)したものだ...
吉川英治 「三国志」
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