...自分の心を癒そうとするもののみが知る愛と抛擲とがあった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...利休にはそれが以前の持主の名器に対する執着の抛擲(はうてき)のやうにも見えました...
薄田泣菫 「利休と遠州」
...その仏教に関するものは概(おおむ)ね圏外に抛擲(ほうてき)せらるるに非ざれば...
津田左右吉 「仏教史家に一言す」
...一切を抛擲(ほうてき)して先ず神を見る可く全力を傾注する勇気が無い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...唯家業の農を抛擲(ほうてき)してぶらぶら歩いて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...是が非でも一切を抛擲して...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...以前はまるで抛擲してしまっていたピアノを...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...彼等は測量のことも抛擲(ほうてき)して...
中里介山 「大菩薩峠」
...すっくと熊を抛擲(ほうてき)して立ち上りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...本当に私は抛擲(はうてき)しました...
平出修 「計画」
...本當に私は抛擲(はうてき)しました...
平出修 「計畫」
...さういふ試みを抛擲して...
平林初之輔 「文学方法論」
...かく重んずべく貴ぶべき身命を抛擲して...
福田英子 「妾の半生涯」
...記実の中にてもただ自己を離れたる純客観の事物は全くこれを抛擲(ほうてき)し...
正岡子規 「俳人蕪村」
...倫理学でさえ今日では価値体系の設定を抛擲(ほうてき)してしかも狡猾(こうかつ)にも平然としている状態である...
三木清 「人生論ノート」
...「抛擲世紛半歳余...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...その年久しい分配供与の任務を抛擲し...
柳田国男 「木綿以前の事」
...天下の事は抛擲(ほうてき)した形になっていますが...
吉川英治 「三国志」
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