...僕は唯僕自身の為に父母妻子を抛つたのだ...
芥川龍之介 「闇中問答」
...海へ石をひとつ抛つた...
太宰治 「道化の華」
...寿美子さんのことは当分放抛つて...
徳田秋聲 「彷徨へる」
...自ら樞密議官を抛つて公然之れが首領となり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自ら枢密議官を抛つて公然之れが首領となり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...贈つてもらつた独逸製の目醒し時計の中に隠れるから燈台の尖へあがつていつて海の方へ力いつぱい抛つてくれたまへ...
仲村渠 「最後の手紙」
...大学の椅子さえ抛つくらいだから...
夏目漱石 「永日小品」
...投げ銛(もり)の呼吸で向うの二階へ抛つたんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――それを入口を塞いだ大男の股倉(またぐら)へパツと抛つたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その錢をくれたのは誰だか言つてくれ」平次は餌を抛つたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...最初の財布を抛つたのは俺だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前の提灯を目當てに抛つたんだらう」「大變な曲者ですね」「尤も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こうするためには彼は地位さえも抛つ気かもしれない...
久生十蘭 「金狼」
...あの麺麭をひねりかためたのを犬に抛つてよこすことだわ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...私が一切を抛つて先づ此處を去る...
平出修 「計畫」
...すべてを忘れて散策し、すべてを抛つて、友人などと談笑の中に夕飯の箸をとることが出來る...
吉川英治 「折々の記」
...破れ笠でも抛つてゐるやうな點...
吉川英治 「折々の記」
...未だ生命を抛つの危険(きけん)あるを見(み)ずと...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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