...全身を抛つて愛着す可き對象も...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...一人が一人に向つて石を抛(なげう)てば相手の女は抛つた方へその心を媚びさせて行くのだと思ふと...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...紙にくるんで室の隅に抛つておいた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...外務大臣の夜會に劣らざる莫大の費用を抛つ上に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自ら樞密議官を抛つて公然之れが首領となり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...贈つてもらつた独逸製の目醒し時計の中に隠れるから燈台の尖へあがつていつて海の方へ力いつぱい抛つてくれたまへ...
仲村渠 「最後の手紙」
...「猪(ゐのしゝ)や鮪(まぐろ)へ出刄庖丁を抛つた話は聞かないな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その錢をくれたのは誰だか言つてくれ」平次は餌を抛つたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前の提灯を目當てに抛つたんだらう」「大變な曲者ですね」「尤も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...(刀を抛つ)今度沈んだら命がなかろう...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...過去は全く面目を新たにし自然的時間において有した絶對性を抛つて...
波多野精一 「時と永遠」
...こうするためには彼は地位さえも抛つ気かもしれない...
久生十蘭 「金狼」
...どれか一つを抛つことが出来なかつたら二つとも抛つてしまはう...
平出修 「計画」
...」「ぢや貴方は全く計画を抛つたのですか...
平出修 「計画」
...」「ぢや貴方は全く計畫を抛つたのですか...
平出修 「計畫」
...「あれぢや商人(あきんど)にもなれんし、百姓にもなれまいし、まあ粥(かゆ)でも啜(すす)れるくらゐの田地を配けてやるつもりで、抛つて置くか...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...破れ笠でも抛つてゐるやうな點...
吉川英治 「折々の記」
...未だ生命を抛つの危険(きけん)あるを見(み)ずと...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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