...折悪く河岸の西辰(にしたつ)と云う大檀家(おおだんか)の法事があったそうですが...
芥川龍之介 「捨児」
...其時折悪くワイスマン先生と私とはボーデンセイへ研究旅行へ行って留守であった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...折悪くBはいなかった...
大杉栄 「日本脱出記」
...折悪く開け放しになっていたそこの窓から屋根へ飛び出したのであろう...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...折悪く開け放しになつてゐたそこの窓から屋根へ飛び出したのであらう...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...折悪く納税貯金組合から集金に来た...
種田山頭火 「白い路」
...折悪く私は風邪に罹って少し熱があったが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...折悪く差支が出来たからと云つて散歩の序に断わりに寄(よ)つたのである...
夏目漱石 「それから」
...折悪くまた彼の仕事は全く行詰つたまま...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...折悪くも国元の父親に訪ねられて途方に暮れた者やら...
牧野信一 「女に臆病な男」
...手紙の着いたその日は折悪くとよの子供が自動車に撥ね飛ばされて即死した日だった...
横光利一 「旅愁」
...――というのは折悪くちょうどその時...
吉川英治 「江戸三国志」
...また折悪く出火に会って店を烏有(うゆう)に帰したので...
吉川英治 「江戸三国志」
...折悪く李がはいってきた...
吉川英治 「三国志」
...おお、あのお方なら、今し方、戻られた」「ははあ、では、もうご帰院にござりますか」「たった今、お館(やかた)の牛車(くるま)に召されて」「お供は」「郎党が、二、三名従(つ)いて行ったはずだが、折悪く、火災があってのう、充分なお送りもできず、申しわけのないことじゃった...
吉川英治 「親鸞」
...折悪く又八の母が来ていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...折悪く、兵庫さまには、江戸城へさし上(のぼ)す何やらのお目録とかを認(したた)め中で、失礼ながらお目にかかりかねる由にござりまする」そう告げて、次の間まで用意して来た菓子、茶などを整え、「粗葉(そは)でござりますが……」と、胤舜へ先に――居並ぶ法弟たちの前へもすすめた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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