...折り目正しい長めな紺の背広を着た検疫官はボートの舵座(かじざ)に立ち上がって...
有島武郎 「或る女」
...着物も垢じみて折り目のなくなった紺(こん)の単衣(ひとえ)で...
有島武郎 「卑怯者」
...それを開くと折り目のところに小さな歯のやうなものがころがつてゐた...
有島武郎 「骨」
...ひきしまった色白の顔に、細くかりこんだ口ひげの美しい紳士が、折り目のついた、かっこうのいい背広服を着て、にこにこ笑いながらこちらを見ているのです...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...折り目から切れて行きそうな地のしっかりした八反の袷(あわせ)のうえに...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...その襟巻を行儀よく二つ折りにした折り目に他方の端をさし込んだその端がしわ一つなくきちんとそろって結び文の端のように...
寺田寅彦 「俳諧瑣談」
...敷布に折り目をつけたりしていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...爪(つめ)で折り目をつけていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...自分のズボンの膝(ひざ)の折り目とコゼットの長衣の広さとを交じえさせ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...折り目が破れて四角な紙片に切れており...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...言葉の折り目もぎすぎすしているようで...
中里介山 「大菩薩峠」
...くたびれた衣服の折り目と縫い目のはしはしに...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...もう折り目のところがもじゃもじゃになっているのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「墓地へゆく道」
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三好達治 「池のほとりに柿の木あり」
...松風が高い所から吹きおろしてきてすさまじい感じにももう一歩でなりそうな庭にもう折り目もなくなった青色の上着に白襲(しろがさね)を下にしただけの服装に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...折り目を正した感じはなくなっている...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そのレターペーパの折り目を拡げたやつを受取ったカント・デックは...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...折り目切り目とよくいうが...
吉川英治 「紋付を着るの記」
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