...おれは飛びこむ」「だが、この屍体をどうする?」刑事が躊(ためら)っているところへ、折よく、密行(みっこう)の警官が通りかかった...
海野十三 「疑問の金塊」
...折よく傍(そば)を自転車にのった酒屋さんが通りかかったから...
海野十三 「大空魔艦」
...幸にして折よく有合せの薬を塗つたので...
種田山頭火 「其中日記」
...折よく南部(なんぶ)から出て来た寄生木(やどりぎ)のお新お糸の姉妹を連れて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...折よく遊歴して来ていた勢源に三度礼を厚くして立合ってもらったのである...
直木三十五 「巌流島」
...屋内のラヂオを避けんとて午下海神町凌霜子の別宅を訪ふに折よく主人來りて在り...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...折よく典竜老師が臥竜梅(がりゅうばい)の下で箒(ほうき)を使っていたのを見かけました...
中里介山 「大菩薩峠」
...百七十四折よくその茶屋は...
中里介山 「大菩薩峠」
...仙台様が――」「物事はそう都合よく行くものじゃないよ――仙台様が折よくお忍びで通りかかったにしても...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...成程折よく此處へ差しかゝつたお玉の眼にチラリと姿が映つたかも知れません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...折よく順八さんとお咲さんが戻つて參りました」「師匠の家に長く居なかつたのかな」「飛んでもない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...折よく通りかかりました当小屋の六兵衛どの...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...折よく竹橋御門の外を通りかかった宗門奉行井上河内守とその配下でした...
吉川英治 「江戸三国志」
...ところが、今日は折よく、「長浜から羽柴殿が見えられましたが」と、君前に取次が出たので、よい機(しお)なりと、彼は引き退がって、入れかわりに来た羽柴秀吉に、目礼を交(か)わしながら立去った...
吉川英治 「黒田如水」
...しかし折よく孔明が漢中まで来ておる時であるから...
吉川英治 「三国志」
...――折よく閑院ノ権大納言さまにお目通りを得...
吉川英治 「私本太平記」
...貴様達は知るまいが……復讐……この恨を晴らすために……晴らすために……ああ愉快だ……俺は復讐のために生きるんだ……俺は貴様達に跪(ひざまづ)いて憐(あわれみ)を乞わしてやるんだ……地面(じべた)へ手をつかして……』と猛り狂うのを折よく入って来た父と下男との手を借りてメルジイが戸外へ突き出しました...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...折よく電車の出る處だつたので直ぐ乘車...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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