...折よく先刻書いて置いた端書の投函(とうかん)を頼もうと思って...
芥川龍之介 「疑惑」
...折よく軍艦ビーグル号の艦長が同行をすすめたのを非常に喜んで...
石原純 「チャールズ・ダーウィン」
...折よく外にも人ありて妹を抱(いだ)きて遁出(にげい)でたれば...
泉鏡花 「活人形」
...折よく傍(そば)を自転車にのった酒屋さんが通りかかったから...
海野十三 「大空魔艦」
...折よくそこへ第一番にとびこんだ丁坊にみつけられ...
海野十三 「大空魔艦」
...折よく山羊の群を飼っている男に出会(でくわ)したので...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...暮れたけれど月があるので、バスで蘇葉居へいそぐ、折よく在宅、しばらく話したが、何となく身心が落ちつかないので、バスでまた駅まで引返し安宿に泊つた、歩いて飲んで寝た、夜中に臨検があつた...
種田山頭火 「道中記」
...終つて折よく立つて居た高知名物の市(いち)を見ながら公園に向ふ...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...折よく白が来た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...泣くにも泣かれず散らばつてる南京玉を見つめてしくしくしてるところへ折よく姉がきたので一時に悲しさがこみあげてわつと手ばなしに泣きだした...
中勘助 「銀の匙」
...君江は折よく電話室に近いテーブルのお客と飲んでいたので...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...折よく変な男が出て来て助けてくれましたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...折よく強制疎開で立ちのく友人が来てくれた...
横光利一 「夜の靴」
...折よく霽れて来たことを口にするのも実感が籠った...
横光利一 「旅愁」
...折よく救ってくれた一偉丈夫がある...
吉川英治 「三国志」
...「おや、こいつはいけねえ」わざと聞えよがしにいって、見廻すと、折よく、人影もなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...それには、折よく、彼へ届け物の約束がある...
吉川英治 「松のや露八」
...折よくぢいやが庭の草花を植ゑ直す指図をして貰(も)らひに来て...
若松賤子 「黄金機会」
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