...折に触れて渠らと邂逅して渠らの辣手(らつしゅ)を振う経営ぶりを目のあたりに見る度毎(たんび)に自分の経済的手腕の実は余り頼りにならないのを内心危(あぶ)なッかしく思いながらも脾肉(ひにく)に堪えられなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...折に触れては家庭に招待して食事を共にするなど少しばかりの世話ぶりをしたのが...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...折に触れては胎児のことを思い出して涙ぐむのが癖になっていて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...春琴の死後佐助がてる女を唯一(ゆいいつ)の話相手とし折に触れては亡(な)き師匠の思い出に耽(ふけ)ったのもそんな関係があるからである後年彼は検校となり今は誰(だれ)にも憚(はば)からずお師匠様と呼ばれ琴台先生と云われる身になったがてる女からは佐助さんと呼ばれるのを喜び敬称を用いるのを許さなかったかつててる女に語って云うのに...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...他の章の折に触れて見て行こう...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...そして出来たら専門以外の本も読むことを折に触れて注意されてあってのことである...
中谷宇吉郎 「指導者としての寺田先生」
...折に触れてその夜会のことを思い出すことになるのだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...鼻の頭(さき)で待遇(あしらっ)て折に触れては気に障る事を言うか...
二葉亭四迷 「浮雲」
...――成瀬は折に触れてふと自殺が頭をかすめるやうになつた...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...法螺忠がさっきから折に触れてはこちらの顔を憎々しそうに盗み見るのは...
牧野信一 「鬼涙村」
...折に触れては細々(こまごま)と遠大な希望を述べて両親や妻に書き送り...
牧野信一 「サクラの花びら」
...折に触れては大悟徹底の姿をとつた役者のやうに唸つたり...
牧野信一 「風流旅行」
...折に触れてとりあげ...
牧野信一 「浪曼的月評」
...折に触れてちょいちょい芸術家になれる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...前にも折に触れて言ったが...
森鴎外 「渋江抽斎」
...折に触れては道中にて人々の失錯ありしことどもを告げて打笑ひ玉ひき...
森鴎外 「舞姫」
...折に触れては道中にて人々の失錯(しっさく)ありしことどもを告げて打ち笑いたまいき...
森鴎外 「舞姫」
...折に触れて説いて来たのであった...
柳田国男 「故郷七十年」
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