...折から凄じい嵐があつて...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...折からの藤(ふじ)の枝か何かにつけたまま...
芥川龍之介 「邪宗門」
...折から吹きこんできた風のため...
海野十三 「少年探偵長」
...折から来合せた左片盤の炭車(トロ)の行列は...
大阪圭吉 「坑鬼」
...折から発動機(エンジン)の点検を了(お)えて事務所に帰って来た...
大庭武年 「旅客機事件」
...折から日本の新派和歌が起り...
高村光太郎 「美術学校時代」
...遂には安心して折からの日和で日向ぼっこをして睡りに入った...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...折から一同は中庭を隔てた向うの小座敷に先ほどから頻(しきり)と手を鳴らしていたお客が遂に亭主らしい男を呼付けて物荒くいい罵(ののし)り初めた声を聞付けた...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...折からごそ/\と葭簀を片よせ其間から身を斜にして店の中へ入つたのは...
永井荷風 「にぎり飯」
...折からの小春の西日があかるくさしてゐた...
野上豐一郎 「桂離宮」
...――折から関所の方にあがる喊(とき)の声...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...折から、さつまいものいも床づくりに余念のない百姓たちが、その手を休めて見送るのんびりした光景も、南国らしい眺めである...
長谷健 「天草の春」
...多い髪の毛を忙がしい折からとて結び髪にして...
樋口一葉 「わかれ道」
...悠々と語るべき快を貪らうと期待してゐた折から...
牧野信一 「浅原六朗抄」
...折から雨にて余の手にある煽風機は間もなく故障を起し...
「おもかげ」
...折から居合せた尾芝の祖父が聞いていて...
柳田国男 「故郷七十年」
...折からまた、夏侯惇(かこうじゅん)その他、曹操幕下の勇将が六人もここへ集まった...
吉川英治 「三国志」
...畏るるものを知らぬ折から...
吉川英治 「新書太閤記」
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