...折から來合せたEと二人でしみ/″\と見る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...折からの停電に、お内儀さんは蝋燭を酒樽の上に立てた...
石川欣一 「可愛い山」
...折から、隅田川の上には毬のやうな滿月が、清親の版畫にでもありさうな夜景の中に、ぽつかりと浮んでいる...
心猿 「露伴忌」
...折からの台風に翻弄(ほんろう)されたわけで...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...それが折から金につまった小娘を誘惑する...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...折から前にいった藩の援兵が...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...体温は平熱なれど目下流行感冒猖獗の折から...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...折から立って来た朔風(きたかぜ)に吹き捲(まく)られて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幼少の折からの辛苦がそこにまざまざと見られでもするかのように...
堀辰雄 「ほととぎす」
...折から麗かな春の陽を浴びて...
牧野信一 「不思議な船」
...折から附近の劇場で開演されて市中の人気の的になつてゐる悲劇役者のプローメイシウスの声色をつかつて云ひ放つた...
牧野信一 「山彦の街」
...折から庭に出ていた妻を呼びながら「御覧! ケーテの描いたものを! ケーテの描いたものを御覧!」と悦んで家を駆けまわった...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...折から見舞に来たディオゲネスが匕首(あいくち)を突きつけて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...折から撥ね上る水面の魚...
横光利一 「榛名」
...折から、前にも後ろにも、ちょうど人影が絶えている」「嘘を言ッたんですね――生爪を剥がしたなんて」「この長い峠を登るうち、麓(ふもと)から一言も口をおききなさいませぬ故、ちょっと一策を案じたわけです...
吉川英治 「江戸三国志」
...折から、幸いにも、帝の寵妃(ちょうひ)の父にあたる董承(とうじょう)という老将が、一隊の兵を率いて、帝の御車を慕って来たので、帝は、虎口を脱して、先へ逃げ落ちて行かれた...
吉川英治 「三国志」
...折から、(明春、雪解(ユキドケ)ヲ待ッテ、大事一挙コソ上策...
吉川英治 「新書太閤記」
...折からちょうど平賀鳩渓が神田のお火除地(ひよけち)に於いて博物会をひらく催しがありますから...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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