...折々枝頭の若芽の(におい)を日の光の中に煽り立てた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...まだ折々は未練がましく...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...藪鶯のけたゝましい声が折々私の耳朶を破ります...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...折々今日のような風に...
谷崎潤一郎 「細雪」
...九若奴も傍から折々思い直したように口を入れて...
近松秋江 「霜凍る宵」
...折々友達と呼び交はし乍ら光を追つて二時間餘りも馳け廻ると...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...ランプの光りが折々風もないのにゆらりと動いた...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...徳田秋声等の諸先輩折々矢来の閑居に来(きた)るを見ておのづから辱友(じょくゆう)となることを得るに至れり...
永井荷風 「書かでもの記」
...長吉(ちやうきち)は失つたお糸(いと)の事以外に折々(をり/\)は唯(た)だ何(なん)と云(い)ふ訳(わけ)もなく淋(さび)しい悲しい気がする...
永井荷風 「すみだ川」
...折々(をり/\)勝手口(かつてぐち)の破障子(やぶれしやうじ)から座敷(ざしき)の中まで吹き込んで来る風が...
永井荷風 「すみだ川」
...成る程折々母が物蔭で泣いていると...
二葉亭四迷 「平凡」
...我邦の人は折々君のように何でも硬い物の方が嚼(か)みしめて味があるというけれどもそれは野蛮風の食方(たべかた)で...
村井弦斎 「食道楽」
...いままで折々かんさんの部屋に夜分に限つて出入りしてゐた市村といふ男が公然と泊り込み...
室生犀星 「渚」
...折々酒井雅楽頭忠道(たゞみち)の屋敷の宴席に招かれるのみであつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...寐息は折々うめき声になる...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...それさえ折々は途絶え途絶えて...
夢野久作 「白髪小僧」
...わけて、十一という末姫が、膳部(ぜんぶ)の馳走や人々の賑わいにはしゃいで、喰べちらしたり、姉に戯れたりしているのを見ると、死もよそに酒宴している武骨の輩も、折々、あらぬ方へ眼をやりがちであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...遠くから拝見しておりました」「その折々に...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??