...折々(おりおり)一人二人の叩くのが聞(きこ)えるばかりになった...
岡崎雪聲 「子供の霊」
...折々何とも形容の出来ない涼しい好い風が...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...仏法にまよわぬように心学本なりと折々御見候えかし...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...折々(おりおり)大雨(おおあめ)が降(ふり)つづく...
永井荷風 「すみだ川」
...研屋は今でも折々天秤棒を肩にして...
永井荷風 「巷の声」
...さながら人なき家の如く堅くも表口の障子を閉めてしまった土弓場の軒端(のきば)には折々時ならぬ病葉(わくらば)の一片(ひとひら)二片(ふたひら)と閃(ひらめ)き落ちるのが殊更に哀(あわれ)深く...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...わたしは西洋文学の研究に倦(う)んだ折々...
永井荷風 「梅雨晴」
...鎌のさきについた錘は非常なる速さを以てめぐるのであるが相手の竹刀が折々變な身振りをして居るうちに「小手ッといふ聲と共にポカッと音がしたのであつたが「まだ/\流れたぞ...
長塚節 「撃劍興行」
...涼み臺や炬燵の側での茶呑み話の折々...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...そこに折々あなたの着物だのがほされて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...でも何とかして折々息吸いにゆきたいとは思って居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...折々は中毒を起します...
村井弦斎 「食道楽」
...折々どこかへ行くなぞと云ふ時も...
森鴎外 「半日」
...“ままごと棚(だな)”世相夕刊一面の各紙の寸鉄欄(たとえば朝日の素粒子、毎日の近事片々、読売のよみうり寸評、産経の夕拾など)などそれぞれ独自な筆鋒で諷刺と諧謔のうちに快感のある論調をみせているが、とくに毎日の近事片々には、折々、痛烈なこと対者の陣に声なからしむるような筆風がある...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...折々ユーモアをまぜて話すので...
吉川英治 「折々の記」
...と人にはいうが、この又左なども、折々、鬼柴田の角(つの)に触れることがあるのじゃて」「あの角にさわらぬように事をするのは難しい...
吉川英治 「新書太閤記」
...すこし駐(とど)まると、馬は眠げに落ち、山畑の麦には雲雀(ひばり)、木々には、ひよどりの声ばかりが、折々、高かった...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼は折々東京から此處へ來て製作にかゝるのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索