...連れの男は折々立ち止まっては...
伊藤野枝 「転機」
...大浜の方は多少出る、少し歩いて、約束通り酒壺洞房を訪れる、アルコールなしで、短冊六十枚ばかり、半切十数枚書いた(後援会の仕事の一つである)、悪筆の達筆には主客共に驚いたことだつた、折々深雪女来訪、酒がまはれば舌もまはる、無遠慮なヨタはいつもの通り、夕方、酒君と共に農平居を襲ふ、飲んだり話したり、山頭火式、農平式、酒壺洞式、十時過ぎて宿に戻る、すぐ、ぐつすり寝た...
種田山頭火 「行乞記」
...入営を送る折々には先んじて旗振り...
中野鈴子 「あつき手を挙ぐ」
...折々機嫌(きげん)のいい時は麺麭(パン)の粉(こ)などを人指指(ひとさしゆび)の先へつけて竹の間からちょっと出して見る事があるが文鳥はけっして近づかない...
夏目漱石 「文鳥」
...津田も折々は向うを調戯い返した...
夏目漱石 「明暗」
...折々は用もないのにこっちからわざわざ出掛けて行って...
夏目漱石 「門」
...折々(をり/\)そつと六疊(でふ)へ這入(はい)つて...
夏目漱石 「門」
...家(うち)の内(うち)森(しん)として折々(おり/\)溜息(ためいき)の聲(こゑ)のもれるに私(わたし)は身(み)を切(き)られるより情(なさけ)なく...
樋口一葉 「にごりえ」
...アベコベに著述者を驚かす程のことも折々見えるから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...私からそれを聞かされるのをそれとなく避けているとしか思えない折々の羞(はず)かしそうな様子だのを見ると...
堀辰雄 「ほととぎす」
...いやわたくしの息子にあてた折々の手紙とか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...ケラア先生は折々バイオリンを携へて私達を訪れた...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...折々「糞(くそ)」「畜生」などと云う...
森鴎外 「雁」
...それさえ折々は途絶え途絶えて...
夢野久作 「白髪小僧」
...宵の頃からいちめんに掻き曇っていた空から折々電光がひらめいて...
吉川英治 「新書太閤記」
...(昭和二十六年十一月)折々(おりおり)ぐさ第五巻「常磐木の巻」は...
吉川英治 「随筆 新平家」
...または御料所増加にて被遣金銀も折々(をりをり)被遣候へ共...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...遥かな麓に白々と流れている渓流が折々見えた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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