...此二三年間は思ふ所あつて試にわざと手入れをしないで投げやりに作つて見た...
會津八一 「菊の根分をしながら」
...橋の上から力一ぱい帽子を川の中へ投げやりました...
竹久夢二 「都の眼」
...彼は齒のあいだで投げやりな不明瞭な發音をした...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...独身者らしい投げやりなところは見えるが...
豊島与志雄 「好人物」
...投げやりな気持になって...
豊島与志雄 「千代次の驚き」
...まるでおどおどした子供の手か投げやりな子供の手で描かれたように...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...自分を取扱うやりかたが特別怠慢で投げやりであるし...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...すっかり投げやりにして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...一列(いっさい)投げやりの有様なれば...
福田英子 「妾の半生涯」
...それを道ばたの草の上へいかにも投げやりに...
堀辰雄 「美しい村」
...その投げやりな筆につい引かれて讀んで行くうちに...
堀辰雄 「日付のない日記」
...投げやりな口調でほき出した...
牧野信一 「昔の歌留多」
...それは決して投げやりな心からではなく...
水野仙子 「道」
...どうせ自分はたった一人世の中に放り出されて居るものなのだからと云うおぼろげな投げやりまで育って来て...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...投げやりの生活を認められていたのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...死んだ魂――売り物買い物である魂――投げやりな魂が...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...なるようにしかならないのだから……というような投げやりな気持で……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...どこへ行くのだ、どこへ」さっさと、彼女が、ひとりして、先に、歩き出したので、良兼が、追いかけるように、いうと、玉虫は、投げやりに、うしろへ答えた...
吉川英治 「平の将門」
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