...然しここには具体的に把持さるべき私達自身の生活がある...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...私は「自分」と云ふものを把持してゐることの出来ない弱者です...
伊藤野枝 「遺書の一部より」
...人生即文藝の意は肉靈合致の心熱的態度によつて事實の特殊的把持をすること...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...渠らの把持した芸術至上は必ずしも誤まっていなかったが...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...その小娘の十四になるのが鰊(にしん)を一把持っていたが...
田中貢太郎 「堀切橋の怪異」
...今日の認識をしつかり把持せよ...
種田山頭火 「松山日記」
...窕子はその一心の把持といふことと報酬的な心持との矛盾を長い長い間深く深く考へてゐた...
田山花袋 「道綱の母」
...これはまた吾人(ごじん)が個々の印象を把持(はじ)する記憶の能力の薄弱なためとも言われよう...
寺田寅彦 「春六題」
...彼女が把持したのは...
中原中也 「デボルド―※[#濁点付き片仮名ワ、1-7-82]ルモオル」
...茫漠(ぼうばく)たる輪廓中の一小片を堅固に把持(はじ)して...
夏目漱石 「イズムの功過」
...自分でも把持(はじ)し...
夏目漱石 「私の個人主義」
...その格調の心像を意識に把持する...
萩原朔太郎 「青猫」
...眞理の把持(サチヤグラハ)はスワデシなくしては不可能である...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「スワデシの誓」
...そして朗らかな自信を把持してゐる...
牧野信一 「明るく・暗く」
...抽象的な意味に於ける唯物論の把持者であることも出來ないであらう...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...現實性を確然と把持して...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...それを実践の綱領または規準として把持しはじめた瞬間から...
三好十郎 「恐怖の季節」
...(b)これこそ真実と確実とにおいて他のいかなる学にも優れていると自称する学〔幾何学〕の把持者...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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