...唯此一点の霊火を以て全心を把持する故たらずとせむや...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...葉子は一人(ひとり)の男をしっかりと自分の把持(はじ)の中に置いて...
有島武郎 「或る女」
...「国民としての良心の把持において」資本家と従業員の間には超ゆべからざるみぞのあることを...
伊丹万作 「思い」
...私は「自分」と云ふものを把持してゐることの出来ない弱者です...
伊藤野枝 「遺書の一部より」
...現在の生活に対して把持して来た誇りを根底から奪ひとられて仕舞ふであらうと云ふ負け惜しみであつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...三日間も立像化するエネルギーを把持しているというのは...
犬田卯 「沼畔小話集」
...ヒューマニチーの福音を説きつつもなお権力の信仰を把持して...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...ただこの一誠以て全心を把持するが故にあらずや...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...揺がない心を把持していなければいけない...
豊島与志雄 「野に声なし」
...存在への通路を把持する...
中井正一 「芸術の人間学的考察」
...その格調の心像を意識に把持する...
萩原朔太郎 「青猫」
...眞理の把持(サチヤグラハ)はスワデシなくしては不可能である...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「スワデシの誓」
...その信仰を把持する時それは私の印度に對する愛をも凌ぐであらう...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「劒の教義」
...そして朗らかな自信を把持してゐる...
牧野信一 「明るく・暗く」
...記憶とは過去せるものを現在的に把持することである...
三木清 「歴史哲學」
...現實性を確然と把持して...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...尚斯くの如き靜寂至純なる藝術境を把持して...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...しかしその勝算とは何か? いかなる秘策を把持しておるか? 誰れが秘密の鍵を握っておるのか? いかなる次第で敵味方に分れたか? ルパンは全然何等知っていない...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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