...唯此一点の霊火を以て全心を把持する故たらずとせむや...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...私は「自分」と云ふものを把持してゐることの出来ない弱者です...
伊藤野枝 「遺書の一部より」
...皐月さんはお腹の中にあるうちは自分の体の一部だと思つてゐらつしやるらしいんですけれど私は自分の身内にあるうちにでも子供はちやんと自分の『いのち』を把持して...
伊藤野枝 「私信」
...ヒューマニチーの福音を説きつつもなお権力の信仰を把持して...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...その小娘の十四になるのが鰊(にしん)を一把持っていたが...
田中貢太郎 「堀切橋の怪異」
...大宰相の特質たる一「忍」字と一「信」字を把持したるに相違なしといえども...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...彼のうちには恐ろしく力強い彼一人の把持する世界が...
豊島与志雄 「運命のままに」
...線香花火を一把持って行ってその器械を使わせてもらったら...
中谷宇吉郎 「線香花火」
...茫漠(ぼうばく)たる輪廓中の一小片を堅固に把持(はじ)して...
夏目漱石 「イズムの功過」
...自分でも把持(はじ)し...
夏目漱石 「私の個人主義」
...その格調の心像を意識に把持する...
萩原朔太郎 「青猫」
...もはや記憶への把持(はじ)を失い...
萩原朔太郎 「日清戦争異聞」
...眞理の把持(サチヤグラハ)はスワデシなくしては不可能である...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「スワデシの誓」
...そして朗らかな自信を把持してゐる...
牧野信一 「明るく・暗く」
...抽象的な意味における唯物論の把持者であることも出来ないであろう...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...記憶とは過去せるものを現在的に把持することである...
三木清 「歴史哲學」
...上海(シャンハイ)に挙行された東邦大会の選手権把持者――だが...
吉行エイスケ 「飛行機から墜ちるまで」
...私の幻影は僅かな情報しか把持していなかった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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