...七宝(しっぽう)に花菱(はなびし)の紋が抉(えぐ)ってある...
芥川龍之介 「老年」
...氷で咽喉(のど)を抉(えぐ)られそうな...
泉鏡花 「歌行燈」
...馬琴が京伝に頼った頃の何十年も昔の内輪咄(うちわばなし)を剔抉(すっぱぬ)いて恩人風を吹かし...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...雲漢を抉(えぐり)て彼の帝郷に遊ぶなり...
津田左右吉 「史論の流行」
...片目を抉りとられた患者達も...
外村繁 「落日の光景」
...胸のうちを大きく抉り取られたような哀感は...
豊島与志雄 「自由人」
...聴く者の肺腑(はいふ)を抉(えぐ)ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この傷は抉(ゑぐ)れてゐる」「へエー」「そんなことがあるだらうか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...筏に残っていた犠牲者の臀から肉を抉りとると...
久生十蘭 「ノア」
...たとえ神といえども爬羅(はら)摘抉するのを辞する筈はあるまいと見ているところ...
久生十蘭 「魔都」
...土蔵の壁は堅いのでさほど深くは抉れていないが...
久生十蘭 「魔都」
...私は全く自分等の古い傷痕を抉られたような心境だった...
平光吾一 「戦争医学の汚辱にふれて」
...くるいなく深くも抉(えぐ)られた鏃(やじり)のあとも...
室生犀星 「姫たちばな」
...きりきりと正吉の胸を抉(えぐ)るのだった...
山本周五郎 「お美津簪」
...その非行を剔抉(てっけつ)するつもりである...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その兵部の悪事を涌谷どのが剔抉(てっけつ)されたので...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...アケスケに抉(えぐ)り付け...
夢野久作 「探偵小説の真使命」
...もっともっと深刻に信長の心理を剔抉(てっけつ)し...
吉川英治 「新書太閤記」
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