...蒸し粟の如き卵(こ)を抉り出しぬ...
石井研堂 「元日の釣」
...当然そこに歯痕のあるべき皮膚面が抉(えぐ)ったように切れこんでいた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...心臓を一抉(えぐ)りにやられたということであったが...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...それはルンペンとしての私の心理を抉つた...
種田山頭火 「其中日記」
...その男の胸が抉(えぐ)られています」「なるほど...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...鋭利な刃物で顔面や胸部を抉られて...
豊島与志雄 「立札」
...ルクソルの対岸の岩山を抉り抜いて造った古代の王と王妃の無数の墓窟の構造と装飾は...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...存分に抉(ゑぐ)つた傷だから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...雨戸の印籠抉(いんろうじやくり)がよく出來てゐる上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...嶮しい陰翳が抉られてゐたし...
原民喜 「壊滅の序曲」
...たとえ神といえども爬羅(はら)摘抉するのを辞する筈はあるまいと見ているところ...
久生十蘭 「魔都」
...運命の電話古傷を抉られる――という言葉がある...
平光吾一 「戦争医学の汚辱にふれて」
...自分で自分の右の眼を抉(ゑぐ)り出し...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...特に今日は骨を抉るような寒気だ...
牧逸馬 「運命のSOS」
...充分に抉(えぐ)り立てられたものは...
室生犀星 「野に臥す者」
...そうして胸を抉られた下士官の死骸を見つめている時には...
夢野久作 「死後の恋」
...アケスケに抉(えぐ)り付け...
夢野久作 「探偵小説の真使命」
...宮廷の癌(がん)を剔抉(てっけつ)してしまうに如(し)くはない...
吉川英治 「私本太平記」
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