...一部分が抉(えぐ)りとったように穴ぼこになっていたのだ...
海野十三 「崩れる鬼影」
...むごたらしく抉られて...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...日に幾臺となく自動車の馳走する九十九折せる坦道を小涌谷の方へ降りてゆく順路に沿うて歩いてゆくと道の右方にあたつて舊東海道の通ずる古い大溪谷の眺望が深く抉つたやうに展望される...
近松秋江 「箱根の山々」
...肉を抉(えぐ)り取ったが...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...胸のうちを大きく抉り取られたような哀感は...
豊島与志雄 「自由人」
...力任せに掻き切って抉(えぐ)ったもので...
中里介山 「大菩薩峠」
...抉(えぐ)るように微笑ののぼって来たのはその時です...
中里介山 「大菩薩峠」
...いわゆる「窓」の形に抉(えぐ)れた口から...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...いきなり抉(えぐ)るのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今までの姉の立場が抉り出したやうにはつきりとわかつたやうな氣がした...
水野仙子 「四十餘日」
...治安維持法そのものの野蛮性の抉剔についてである...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
...きりきりと正吉の胸を抉(えぐ)るのだった...
山本周五郎 「お美津簪」
...胃のさしこみは小刀で抉(えぐ)られるようだし...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...人間の心理を一層深くアケスケに抉(えぐ)り付け...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
...錠前を抉(えぐ)ったが容易にはがれないので...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...問題は――かれが心ひそかに待っていた蜂須賀家の剔抉(てっけつ)であった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...自分が錆槍(さびやり)で抉(えぐ)られるよりも辛く考えているのだが...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...黒吉の胸を抉(えぐ)った...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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