...それはズッシリと重い頭が永く載っていたらしく真中が抉(えぐ)ったように引込んでいた...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...鋭いメスで腐った肉を抉(えぐ)り取るような効果がありました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...却つて林の中や森の下道や赤く一ところ抉られたやうになつてゐる絶壁(きりざし)の方が好ましいらしく...
田山録弥 「赤い鳥居」
...片目を抉りとられた患者達も...
外村繁 「落日の光景」
...(何人にとっても四十歳以前に其の傑作を生むことが恐らくは不可能であろう所の・)人間性剔抉(てっけつ)の近代小説道を捨てさせ...
中島敦 「光と風と夢」
...おとつゝあ腹(はら)抉(ゑぐ)り拔(ぬ)いてやつから待(ま)つてろ」勘次(かんじ)は疾(とう)から澁(しぶ)つて居(ゐ)た舌(した)でいつた...
長塚節 「土」
...鋭いのみで抉ったかと思う痕だらけ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...存分に抉(えぐ)った傷だから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...―一九三一・一〇・二四―「大衆の友」創刊号(昭和七年二月五日発行)(1)鮮血 (2)軍 (3)弾 (4)虐 (5)日 (6)突 (7)刺 (8)剣 (9)産 (10)党 (11)血 (12)突 (13)抉 (14)血 (15)戦 (16)圧 (17)日本共産党 (18)殺 (19)血 (20)後 (21)狙 (22)構 (23)革命 (24)鉄...
槇村浩 「生ける銃架」
...非条理に陥らせている封建的な道徳感への屈伏を作者は抉り出すことに成功してはいないのである...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...流れの本質のくさり(腐敗)を抉り出すことで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その非行を剔抉(てっけつ)するつもりである...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...男性が隠し切っている心理状態を思いも寄らぬ方面から抉(えぐ)り出して痛烈な攻撃を加えることがあります...
夢野久作 「鼻の表現」
...手がるに抉出してみることは粗相になるおそれがある...
吉川英治 「折々の記」
...彼の無残苛烈(かれつ)な性格の一面を抉(えぐ)り...
吉川英治 「新書太閤記」
...その侍のわき腹を抉(えぐ)りつけ...
吉川英治 「親鸞」
...切(き)ッ尖(さき)深く自分の手で脇腹(わきばら)を抉(えぐ)っていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...痛烈(つうれつ)骨を抉(えぐ)るが如き筆をもって...
米川正夫 「クロイツェル・ソナタ」
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