...何等の技巧的なわざとらしさもなく極めて自然に右手でナイフを使っていた...
大阪圭吉 「花束の虫」
...技巧的なものが感じられたが...
高見順 「いやな感じ」
...ただ技巧的な微笑を口邊に漂はせてせつせと柴を刈つてゐるばかりで...
太宰治 「お伽草紙」
...」私は技巧的な微笑を頬に浮かべて...
太宰治 「乞食学生」
...常に技巧的なる笑いを以て御挨拶申上げ居り候...
太宰治 「花吹雪」
...支那の老練な職工や印度の刺しゅう家が生涯の美術的な仕事にする所の技巧的な完全さを持つ方法でやるというのです...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...出来得る限りに於て芸術上の技巧的な個人性を出さないように努めなくてはならぬ...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...その後ピアノの教師について学んだ時は技巧的な修業を嫌って...
野村胡堂 「楽聖物語」
...特に今のやうに技巧的な容子をするときには...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...どうかあの品物のひどく技巧的な配置の仕方に気をつけてもらいたい...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...人道主義はその無技巧的なところから見ると...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...淡白に見ゆるがために却つて技巧的な念が施されてゐるのを見た...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...技巧的な文章への努力などはつまらなくもなるのです...
牧野信一 「浪曼的月評」
...たしかに先代鶴枝の技巧的な美しさとは一脈相通ずるもののあるような心もちがしてならない...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...連鎖劇とは曲もない夫婦仲古蝶映画のクラヰマックスでスッと映写幕が上げられると同じポーズをした実演場面があらはれる技巧的なのと...
正岡容 「大正東京錦絵」
...従つて悟性の技巧的な概念によつて...
三木清 「消息一通」
...この人にも技巧的な考えが出るものである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一種の娯楽的な技巧的な作に過ぎない...
柳宗悦 「工藝の道」
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